【『がん看護』の特長】
がんの医学・医療的知識から経過別看護、症状別看護、検査・治療・処置別看護、さらにはサイコオンコロジーにいたるまで、臨床に役立つさまざまなテーマをわかりやすく解説し、最新の知見を提供。
施設内看護から訪問・在宅・地域看護まで、看護の場と領域に特有な問題をとりあげ、検討・解説。
告知、インフォームド・コンセント、生命倫理、グリーフワークといった、患者・家族をとりまく今日の諸課題についても積極的にアプローチし、問題の深化をはかるべく、意見交流の場としての役割も果たす。
〈「5-6月号」の特集にあたって〉 編集:鴨川郁子
現在,がん治療はがんの種類や進行度に応じて,手術療法,薬物療法,放射線療法などのさまざまな治療を組み合わせる集学的治療が基本となっています.そのため,手術終了後に再発転移予防を目的とした補助療法が続くこともあり,手術が終われば治療終了とは限らない場合があります.
また,手術療法に関しては,平均入院日数が短くなりつつあります.以上のように,がん患者は治療の副作用や症状をコントロールしながら,通院で治療を続けている状況が増えてきています.
このような状況から,通院治療を継続するがん患者が症状をコントロールしていくことは,生活の質向上を目指すうえでも重要であると考えます.皆さんも,日頃がん看護を実践するなかで,さまざまな薬物による副作用や病状による症状に対して,症状コントロールができるようケアを実践し,がん患者自身がセルフケアできるよう教育的かかわりを行っていると思います.そうした中,症状コントロールに難渋しているにもかかわらずケアがパターン化しているものや,症状のある患者にどのようなケアが患者の安楽につながるのか悩む場面があると思います.
今回の特集では,臨床現場で出会うことが多い症状に焦点を当てて解説しました.また,各症状の解説では,具体的な事例を挙げて,症状メカニズムについて詳しく解説したうえで,アセスメントのポイントや症状の評価尺度を概説し,提示した事例では実際どのようにアセスメントを行うかを紐解く構成としています.そして,各症状で使用される薬剤の特性やケアのエビデンスについても取り上げています.
本特集をとおして,読者の皆さまの各症状メカニズムの理解が深まり,症状マネジメント力が高まることを期待し,ひいてはケアに活かされることを心より願っています.