特集「胸部外科手術の基本手技とコツ2024」によせて
不易流行という言葉がある.「不易を知らざれば基立ちがたく,流行を知らざれば風新たにならず」ということのようである.胸部外科手術において考えてみれば,時代が過ぎても変わらない基本的な手技というものが存在する一方,我々の手術は技術革新という新しい風にさらされ常に変遷しているということであろうか.
本増刊号の「胸部外科手術の基本手技とコツ」という特集も今回が初めての企画でないことは読者もご存知と思うが,前回と内容が変わらないもの,変わっているものがあることにお気づきと思う.心臓血管領域は基本手技として項目立ては変えずに内容をupdate している.一方,呼吸器領域,食道領域は項目立てを一新し,新しいスタンダードを提示している.
本特集では手術における基本手技に焦点を当てている.手術とは各施設により流儀があって,細かいところは違うものである.初学者はまず,その施設のやり方を習得する必要がある.しかし,一つの方法しか知らないようでは応用が効かない.その根本に流れる共通する思想に気づくことで,応用問題を解けるようになるのである.基本手技と言って侮ることのなきようにしていただきたい.その領域の第一人者に執筆いただいた本特集記事と自施設のやり方との違いに気づくことから,知の旅は始まるのである.
編集主幹
小野 稔 千田雅之
【胸部外科の特長】
1948年創刊。常に最近の話題を満載した、わが国で最も長い歴史と伝統を持つ専門誌。
心、肺、食道3領域の外科を含む商業医学雑誌として好評を得ている。
複数の編集委員(主幹)による厳正な査読を経た投稿論文を主体とした構成。
巻頭の「胸部外科の指針」は、投稿原稿の中から話題性、あるいは問題性のある論文を選定し、2人の討論者による誌上討論を行っている。
胸部外科医にとって必須の特集テーマを年4回設定。また、「まい・てくにっく」、「1枚のシェーマ」、読み物として「胸部外科医の散歩道」を連載。
通常号:80頁・増刊号:約170頁