■能登半島地震から1年
昨年元日の地震、同9月の豪雨と、度重なる災害に見舞われた能登半島。1年経っても陥没したままの道路や壊れたままの家など、発災直後とあまり変化のない光景が残る。復興どころか、いまだに危険な環境で暮らし続けなければならない被災者もいる。政府や地方自治体の抱える課題は大きい。一方で、公的な支援や制度が十分でない中、能登の文化や産業を潰すまいと、地域コミュニティを保ち、力強く生きている住民たちがいる。能登の被災地の現在をルポした。
●被害の実態に応じた柔軟性ある支援体制の整備を
住宅再建を困難にする「住家認定」制度
藍原寛子
●伝統産業も文化財も大被害
輪島塗や能登牛飼育はどうなっている?
吉永磨美
豊かな自然に恵まれた能登半島の里山里海は国連の世界農業遺産に指定され、輪島塗や能登牛飼育など伝統的産業でも有名な地。これら有形・無形の伝統文化財が、地震や豪雨で壊滅的な被害を受けた。歴史と文化を受け継ぐ被災者たちはいま――。
●「道路も大事だが、もっと大事なものがある」
住民をつなぐ地域コミュニティの底力
吉永磨美
高齢化、過疎化――昨年の地震発生直後に報道で繰り返された言葉だ。それを理由に「お金をかけた復興は合理的ではない」という無責任な声も一部広がった。しかし、二度の大災害を経てもなお、能登の人々は住み続ける意志が強く、再生に向けて動き出している。