• 発売日:2025/05/26
  • 出版社:岩波書店
  • ISBN:9784000616997

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書物の時代 読書がひらいた日本近世

書物の時代 読書がひらいた日本近世

通常価格 3,960 円(税込)
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商品説明
一七世紀、日本で商業出版が始まった。人びとが本によって知を共有する〈書物の時代〉の到来である。今日まで続くこの大変革は、読書という営みを通して心を治め、家の存続を願い、世界と自己との関係性を問う、「思想主体」としての民衆を列島各地に生みだした。「書物の思想史」を提唱してきた近世史家の重要論考を集成。
目次
 はしがき――〈生きかた〉としての思想史

序 章 日本近世の時代環境――『農業全書』から考える
  はじめに
 1 『農業全書』はいかにして作られたのか
 2 『農業全書』における畜産の位置
 3 非畜産農業の成立と展開
 4 家畜化と栽培化――品種改良の思想
 5 多品種複合農業の成立
  むすびにかえて

 コラム❶ 一七世紀の時代・社会・文化をどう描くか

第一章 書物がひらいた思想形成――軍書・医薬書・天文暦書から安藤昌益へ
  はじめに――問題意識のありか
 1 書物の文化史から思想史へ――思想形成の契機としての書物
 2 軍書の歴史的位置
 3 医薬書・天文暦書の歴史的位置
 4 安藤昌益の主体形成――政治常識との葛藤
  むすびにかえて

 コラム❷ 軍書を携えし者たち――安藤掃雲軒という人

第二章 『浮世物語』から時代を読む
  はじめに
 1 近世人の読書
 2 『浮世物語』主人公瓢太郎の思想形成
  むすびにかえて

 コラム❸ 近世における楠正成伝説

第三章 書物がもたらした社会変容――歴史を作る、主体を作る
  はじめに
 1 思想形成の一契機としての書物
 2 日本近世の社会変容と書物
 3 近世人の思想形成と歴史
  むすびにかえて

 コラム❹ 貝原益軒――時代を創り、人を作る

第四章 一上層農民の蔵書から――「書物の思想史」研究のために
  はじめに――近世人の思想形成と書物
 1 『書物目録』から何がわかるのか
 2 寺澤家の蔵書とその形成
 3 寺澤直興の思想形成と書物(1)――安永期
 4 寺澤直興の思想形成と書物(2)――寛政期
  むすびにかえて

 コラム❺ 寺澤直興はどのように書物と出会ったか

第五章 天道とコスモロジー――神・儒・仏の交錯
  はじめに
 1 「太平記読み」の時代
 2 天道委任論の形成と定着
 3 天道・コスモロジーと思想形成
  むすびにかえて――天道委任論と「天地の子」論
 コラム❻ 佐藤直方――みずからの「合点」を求めた孤高の学者

第六章 「日本」意識の形成――近世における家・国家・地域
  はじめに
 1 「家」意識の形成――近世人の歴史的環境
 2 「家」の歴史叙述――社会通念としての「家」意識
 3 「家」を遡る――家系図の時代
 4 「年代記」の思想――「大日本国」の歴史と向き合う
 5 「天地の子」意識の形成――近世人の思想形成とコスモロジー
 6 「天地の子」をめぐる葛藤――安藤昌益の思想形成
 7 「日本意識」の形成と地域――地域特性という視角
  むすびにかえて

 コラム❼ 地域意識を問い直す

終 章 近世政治常識のゆくえ
  はじめに
 1 近世における政治常識の形成
 2 「仁政」のゆくえ
 3 「孝子」顕彰の時代
 4 「天道」のゆくえ
  むすびにかえて

 注
 初出一覧
 あとがき
 索  引
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