プロローグ―「福井の湖、考古学の標準時に」
1 奇跡の湖の発見
最初は偶然だった
年縞研究の幕開け
掘れるだけ掘ってみよう
縞模様はなぜできる?
年縞が失われないために
埋まらない湖
これをどう使う?
2 とても長い時間を測る
長い時間の測り方
戦争の陰で
成り立たない前提
誤差をどう解消するか
樹木年輪の「壁」
ピンチヒッター
北川浩之の挑戦
長い戦い
もう一つの長い戦い
時間の統一
標準時をめぐるデッドヒート
水月湖の挫折
3 より精密な「標準時計」を求めて
93年コアの限界
イギリスの決断
1ミリも取りこぼさない
年縞独特の難しさ
7万枚の縞を数える
新しい技術
英独間のホットライン
見えない年縞
1200枚の葉っぱを拾う
北川データの復活
越えられなかった壁
最後の工夫
完成した年代目盛
コラム 追憶の水月ヒルトン
4 世界中の時計を合わせる
ポーラ・ライマーの挑戦
より厳密な定義
地質年代学の歩み
成果を論文にまとめる
水月湖のほとりで
ついに「標準時計」に!
歴史の教科書を書き換える?
エピローグ―「数えるなんて簡単なこと」
その後の10年―現代文庫版のための少し長いあとがき
解 説………………大河内直彦