そこには、私の知らない父の姿があった。
21歳、海軍経理学校の卒業後すぐに戦地に赴いた
父・阿部克巳が見た「戦争」とは何だったのか。
東大文学部教授の著者が
父親の手記をもとに書き起こした、
圧巻のノンフィクション
4ヵ月間起居を共にしていた200人もの秋風乗員たちは、たまたま入れ代わりで別の船に乗艦した父の目の前で、一瞬のうちに火柱となって南シナ海に消えた。
「克巳は88歳で亡くなったが、その短いとは言えない生涯を、1年半ほどの軍隊での経験と、とくに艦上での数ヵ月の出来事を生き直すために費やしたようにも思える。その言葉をどう伝えるかあれこれ考えながら、自身の存在の小ささを思い知らされている。」(本書より)
【目次】
第1部 忘れ得ぬこと
第01章 1944年08月 マニラ 虐殺事件の真相
第02章 1944年12月 マニラ 逃亡
第03章 1944年12月 マニラ フランクの英語
第2部 新米主計官
第04章 1944年06月 リンガ泊地 有賀艦長と転勤
第05章 1944年08月 ミリ 父と会う
第06章 1944年06月 ダバオ 秋風乗艦
第07章 1944年11月 ブルネイ 秋風と「美談」
第3部 オルモック輸送作戦
第08章 1944年12月 マニラ 最後の船団
第09章 1944年12月 オルモック 突入
第10章 1944年12月 マスバテ 総員退去
第4部 戦後に向けて
第11章 1944年09月 高雄 死と結婚
【装幀】
川名潤