他の指に比べて太く、対向する形状の親指。この進化は何のためなのか。またそれによってもたらされたものは何か。
類人猿との分岐の過程でヒト属は独自の生態的位置を獲得していく。生き延びるための主食をどこに見出すか。どのように摂取するのか。主食への接近は手・指の形と口・歯の形を、さらに移動方法を決定する。
森林の樹上生活からサバンナに下りてきたヒトが、捕食者から逃れ他種と競合しない食物を手に入れるために選んだ道と、それに合わせるように体の形と動きを変えていった過程はどのようなものだったのか。
これまでのさまざまな進化説を検討したうえで、本書では独自の「口と手連合仮説」を提示、主食摂取に適した道具使用法の獲得、それに伴う直立二足歩行への進化を見通す。
[本書の内容]
第1章 アイアイに会うために
第2章 レムール類の特別な形と主食のバラエティー
第3章 アフリカの原猿類の特別な形を主食
第4章 ニホンザルのほお袋と繊細な指先
第5章 ナックル・ウォーキングの謎
第6章 ゴリラとオランウータンの謎
第7章 初期人類の主食は何か?
第8章 直立二足歩行の起原
第9章 石を握る。そして、歩き出す