内田百閒「阿房列車」にあやかって、西へ東へディスカバー・ジャパン。
行くなら冬、と思い立った網走番外地。旧正月ならぬ「旧の万博」、祭りのあとの大阪・千里。雲を見に、夕日を見に行く松江。心酔する百鬼園先生の古里、岡山・古京町……あの頃の日本が息づく大人の旅行記。雑誌連載中に急逝した内田百閒への追悼文「核心」を増補。〈解説〉宮脇俊三
[目次より]
精進落さず伊勢
手鍋さげたり長崎
白い墓地網走
ととらく紀行能登
留学事前祇園
はずかしい旅蒲原
うわの空旅熊本
大阪さがし大阪
とにかくハワイホノルル・ラナイ島
牛歩随行宇和島
おばこ、恙なきや庄内
眩しかりけり神戸
三景の末路松島
わたしの城下町松江・出雲
白い飛礫の札幌
滾るまで秋田
海内旅行鹿児島航路
ああ名山富士を見に行く
旅に病んで高山
美しや毒の島徳之島
百鬼園先生町内古地図岡山
裸体写真撮影行奥日光
北海わいん唄池田町
細胞入替え旅行ヤング京都
解説 宮脇俊三
「核心」