心原性ショック患者の院内死亡率は30%といまだに高く、循環器救急集中治療に携わる医師にとって解決すべき残された命題です。この命題の答えは、実臨床で心原性ショック患者に対応する医師一人一人が、心原性ショック患者の様々な病態・基礎疾患への適切な対処・併発する全身循環管理を識り、高度かつ複雑化した補助循環等の治療介入を行う技量を身につけ、さらにはショックチームと呼ばれるチーム医療を実践することで、解決の糸口が見えてくるのかもしれません。そのような考えのもと、本企画では、循環器救急集中治療に携わる医師が心原性ショック患者を系統立てて診断・治療・管理を行うために必須の情報を、最新のエビデンスを含め本領域のオピニオンリーダーの先生方に概説していただきました。I. 心原性ショック総論では“学び”に主眼を置き、II. 補助循環では経皮的補助循環デバイス別に“実践”を意識し、III. 各論(病態に即した診断・検査・治療)では心原性ショックの病態と治療介入について“体得”を目的とし、IV. 連携と教育では “普遍化”を念頭に企画しました。いずれの項も、最新の科学的根拠をもとに記載された深奥な内容であると同時に、実臨床に即したエキスパートアプローチが凝集した、まさに「心原性ショック治療のバイブル」と言っても過言ではありません。読者の皆様にとって、本特集が日常臨床に役立つものとなることを祈念いたします。(企画者Editorialより抜粋)
【目次】
I. 心原性ショック総論
ショックの4分類から心原性ショックの定義 近藤 徹
循環生理・心力学・循環平衡 大竹正紘
左心不全/右心不全/両心不全の鑑別・診断・治療 春木耀介・池田祐毅
心原性ショックの重症度分類 中村牧子
心原性ショック患者の血行動態管理 加藤駿一
II. 補助循環
経皮的補助循環デバイス IABP 谷 昂大
経皮的補助循環デバイス Impella 鵜木 崇
経皮的補助循環デバイス VA-ECMO 青景聡之
経皮的補助循環デバイス VA-ECMO+IABP/Impella 西本裕二
III. 各論(病態に即した診断・検査・治療)
急性心筋梗塞に伴う心原性ショック(AMI-CS) 上野雅史
心不全(急性増悪)に伴う心原性ショック(HF-CS) 鈴木 翔
不整脈に伴う心原性ショック 植竹俊介
血液分布異常性ショックを合併した心原性ショック 川上大裕
心原性ショック患者マネージメントー24時間のロードマップ 中島啓裕
カテーテル室内での心原性ショック患者マネージメント 中野宏己
心原性ショック患者の外科的介入治療 市原有起
経皮的補助循環デバイス離脱困難/心原性ショックの治療としての中長期的マネジメント 塚本泰正
IV. 連携と教育
地域および施設内におけるショックチームおよび心原性ショック治療に携わる若手循環器医の教育システム 大竹正紘・朔 啓太