ブラームス ハイドンの主題による変奏曲作品56a 大学祝典序曲作品80 悲劇的序曲作品81

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ブラームスの管弦楽作品として、演奏会でも頻繁に取り上げられ、親しまれている3曲だが、作品の成り立ちを詳細に分析する本解説では、それぞれが作曲家としての里程標を成す重要な作品であることを、明らかにしている。作品56という番号を持つ「ハイドン・ヴァリエーション」は1872年、ブラームスがウィーン楽友協会の芸術監督に就任し、オーケストラを実地に探究する機会が増えたことが、作曲の契機となった。変奏曲という枠組みのなかで、素材労作やオーケストレーションに重点を置いた書法の洗練を極めることができたという。この作品の成功が、長く温めていた交響曲第1番の完成を後押しすることになった。「大学祝典序曲」作品80は、これまで多くの解説がソナタ形式である、としてきたが、本解説はソナタ形式を論証することはできない、という立場を取る初めての解説であるかもしれない。ブラームス自身も「スッペ風のポプリ(接続曲)」と呼んでいたという。しかし、素材となる学生歌の接続と展開の手法には、並々ならぬ手腕が発揮されている。「大学祝典」と時期を同じくして作曲された「悲劇的序曲」作品81は、「大学祝典」同様、音楽によるドラマトゥルギーの追究に精力が注ぎ込まれた。こちらはモティーフを緻密に展開するソナタ形式によるが、叙事詩のような雄大さを表現するために、あえて形式や調性、和音連結などを曖昧にする、という高度な工夫がなされている。作曲家ならではの緻密な分析によって、各曲固有の印象が、音楽的に明晰な裏付けをもって解き明かされる。譜例の切り取り方、各曲に付く「構成表」など類例を見ない。
目次
ハイドンの主題による変奏曲

大学祝典序曲

悲劇的序曲
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