本書では、UCバークレーで開発されたオープンソースの命令セット(ISA)「RISC-V」を用いて、CPUの作り方を解説します。コンピュータアーキテクチャ、ハードウェアに関する知識があまりない方にも理解できるように基礎からわかりやすく学んでいきます。CPUとコンピュータアーキテクチャのしくみを解説したうえで、基本整数命令の実装から、CPUの高速化で活躍するパイプラインの実装、スーパーコンピューターでも活躍するベクトル拡張命令(SIMD)、さらに、汎用CPUでは負荷の高い処理をより高速に実行するためにCPUへ追加可能なカスタム命令の実装までを行います。CPU設計に用いる基本言語としては、Velilogを抽象化したHDL(ハードウェア記述言語)であるChiselを利用しています。
CPUの自作範囲に関して、手順が煩雑なFPGAでの動作確認は行わず、ソフトウェア上でエミュレーションをゴールとしているので、ソフトウェアエンジニアの方にも取っ付きやすいものとなっています。
巻末には、昨今RISC-Vが注目されている理由を整理するため、RISC-Vのもたらす価値についてまとめています。