涙がかれるほど慟哭したのは、
もう彼を愛してしまったから……。
1年半ぶりに社交界に復帰したジュリエットは、
口さがない上流階級の面々から“黒後家蜘蛛”と呼ばれていた。
30歳も年の離れた夫を転落死させたと事実無根の噂を立てられて。
本当は、夫から虐げられていたのは彼女のほうなのに。
周囲の冷たい視線にジュリエットがいたたまれない思いでいたとき、
エスコートを申し出る者が現れた――大貴族スタワーブリッジ公爵家の
稀代の放蕩者として有名な見目麗しきセバスチャン・セントクレア卿。
社交界に疎まれる私に近づいてくるなんて、賭か何かに違いないわ……。
そんな疑いもやがて薄れ、恋に落ちたジュリエットは彼と結ばれる。
セバスチャンが直後によそよそしくなり、姿を消してしまうとも知らず。
C・モーティマーが描く情熱的なリージェンシー・ロマンスをお届けします。ひどくつらい境遇を耐え忍んできたヒロインに、にわかに訪れた幸せと喜び――けれどそれもあっという間に目の前から消えてなくなり……。ヒロインを泣かせてしまったヒーローの本心は?