本書は、現代物理科学を科学技術の基礎をなすものという観点から概観する。ねらいは、膨大な現代物理の体系をできるだけ簡潔に、しかし数学的な厳密さに妥協するところなく、統一的に記述することにより、ミクロからマクロの世界の理解に挑戦するところにある。
著者の米国大学院で受けた教育と米国での教育経験をもとに、教室での講義風に、大学初等の知識をもとに一歩一歩読み進めば現代物理の根幹が理解できるように、歩行者的手法(Pedestrian Approach)を取り入れたことを特徴としている。理論をイメージしやすいように、150以上の模式図を入れた。量子力学の演算子を使う数学、ベクトル解析、相対性理論に現れるテンソル解析等、現代物理に使われる一見難解にみえる数学も使いこなせるように工夫をこらした。
内容は、網羅的であるより限られた主題を深く掘り下げた。本文で取り上げた以外の興味深い話題は練習問題とし、巻末にすべての問題の詳細な解答を載せている。