形質生態学入門

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形質生態学入門
  • 発売日:2025/03/19
  • 出版社:共立出版
  • ISBN:9784320058446
通常価格 6,380 円(税込)
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  • 発売日:2025/03/19
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商品説明
多様な生態学研究において、形質データを利用するための理論的枠組みや、データ解析を行うためのR言語へのアプローチを示した形質生態学の入門書

地球環境変動や様々な人為撹乱による生態系への影響が懸念されるなかで、生物多様性や生態系のはたらき(生態系機能)の環境に対する応答をどう評価するかについて、注目が集まっている。近年では、生物の環境応答や生態系機能を、個別の種のもつ生態的・形態的な形質(例えば、植物の背丈や葉の窒素濃度など)と関連づけて解釈する機会が増えてきた。

本書は、形質データを利用した生態学研究(形質生態学)の主要な概念と背景、およびそれらを実際に利用する方法を示すものである。その内容は様々な生態系や栄養段階の生物をカバーしており、形質生態学の概念、ツール、およびトレンドについて手軽に学び、そしてそれを実際に自分の研究対象やデータに適用したい学生、研究者、および実践者向けに設計されている。

また本書は、形質の定義からはじまり、解析に用いる形質の選択・計測方法、解析のもととなるデータセット(行列)の作成、機能的多様性の指標、形質の種内変動、群集集合、系統との関係、生態系プロセスとの関係、形質のサンプリング戦略など、形質と関連する広範なトピックが網羅されている。

さらに、読者が必要に応じてRで解析できるよう、オンラインリソース(無料)がウェブ上に公開されている(https://digital.csic.es/handle/10261/221270)。このオンラインリソースには、演習とR言語(関連するパッケージと関数)の使い方を示したスクリプトが含まれており、この分野の現在の開発状況を反映した更新が行われている。

著者らは10年以上、本書の内容に沿った解析セミナーを開講しており、その教育経験に基づいて、形質生態学の理論的側面と分析ツールを紹介し、説明する方法を開発・改善してきた。本書は生態学における形質データの解析についての一般的な概念と手法が網羅的にまとまっている唯一の書籍である。

[原著]Handbook of Trait-Based Ecology: From Theory to R Tools, Cambridge University Press, 2021
目次
訳者まえがき

序文

第1章 序章
1.1 一般的な定義
1.2 種から機能へ
1.3 機能形質とは何か?
1.4 応答形質と効果形質
1.5 未解決の課題

第2章 形質の選び方と標準化
2.1 どの形質を選ぶか?
2.2 形質はいくつ必要か?
2.3 形質値はどこから得るか?
 2.3.1 文献とデータベースから形質情報を得る
 2.3.2 形質を計測する
2.4 形質値を表現する方法とは?
2.5 形質データの欠損
2.6 形質の標準化
 2.6.1 形質計測の標準化を行う理由と方法
 2.6.2 形質プロトコルとどのように取り組むのか?

第3章 相違の生態学:グループ vs 連続体
3.1 歴史と概念の概説
 3.1.1 機能グループ
 3.1.2 形質のトレードオフとr/K選択
 3.1.3 C-S-R、L-H-Sと分化の「スペクトル」
3.2 理論と数値
 3.2.1 種×形質行列
 3.2.2 種間の非類似度の計算
 3.2.3 ゴーヴァー距離の見過ごされている点
 3.2.4 種のグルーピング

第4章 応答形質とフィルタリングの意義
4.1 初期の生物地理学から形質と環境への流れ
 4.1.1 種内の形質変動
 4.1.2 種間の形質変動
4.2 環境傾度
4.3 環境フィルタリングという比喩表現とその意義
4.4 種から群集へ、そして群集から種へ
4.5 機能形質を適応度と関連づける
4.6 形質と種の分布モデル

第5章 群集の計測
5.1 群集の機能形質構造
5.2 群集加重平均
 5.2.1 群集加重平均の計算
 5.2.2 種のアバンダンスの考慮
5.3 機能的多様性指数
 5.3.1 形質範囲と凸包
 5.3.2 距離の合計
 5.3.3 分散
 5.3.4 平均非類似度
 5.3.5 規則性
5.4 機能的多様性の要素
5.5 機能的多様性の分割
5.6 機能的多様性を計算するRツール

第6章 種内の形質変動
6.1 種内の形質変動の由来
6.2 種内の形質変動の重要性
 6.2.1 種分化
 6.2.2 個体群サイズと遺伝的多様性
 6.2.3 適応
 6.2.4 分布
 6.2.5 侵入の予測性
 6.2.6 群集集合
 6.2.7 形質を介した種の相互作用
 6.2.8 生態系プロセス
6.3 種内の形質変動を調べる
 6.3.1 種内、種間の形質変動を定量する
 6.3.2 種内形質の順応と種のターンオーバー
 6.3.3 生態学的スケールでの形質変動
 6.3.4 種内変動を機能的多様性に含める

第7章 群集集合則
7.1 群集集合のメカニズム
 7.1.1 基準となる種プールの定義
7.2 生物間相互作用と種の共存
 7.2.1 歴史的背景
 7.2.2 共存理論
 7.2.3 種のペア間の競争の先へ
7.3 形質に基づく群集集合
7.4 群集集合則の評価
7.5 帰無モデル
7.6 群集集合の応用
 7.6.1 種のアバンダンスと形質構造の予測
 7.6.2 侵入種

第8章 形質と系統
8.1 系統樹とは何か?
8.2 ブラウン運動と近縁種が似ている理由
8.3 進化と形質のフィルタリングをつなぐ
8.4 系統的シグナル
8.5 形質の変化はブラウン運動によるものか?
8.6 系統比較法
 8.6.1 比較手法と進化
 8.6.2 独立比較
 8.6.3 より発展的なPIC
 8.6.4 系統によるデータの補完
8.7 系統的多様性と群集集合
8.8 系統的多様性と機能的多様性の統合
8.9 進化的ニッチモデリング

第9章 生態系プロセスとサービスに対する形質の効果
9.1 効果形質と生態系プロセスのつながり
9.2 生物多様性と生態系機能(BEF)の関係の評価
9.3 生態系機能に与える機能形質の効果を解きほぐす
 9.3.1 CWMとFDを解きほぐす実験デザイン
 9.3.2 生物多様性実験の解析
9.4 応答形質と効果形質の枠組み

第10章 栄養段階にまたがる応答形質と効果形質
10.1 生態系機能に対する複数栄養段階による制御
10.2 複数栄養段階の応答形質と効果形質の枠組み
 10.2.1 枠組みを定量的に用いる
 10.2.2 栄養段階カスケード内の種内形質変動
10.3 相互作用ネットワークにおける栄養段階間応答形質と栄養段階間効果形質
10.4 展望

第11章 形質サンプリング戦略
11.1 「野心的な指導教官」の演習
11.2 正確性と精度
11.3 異なるスケールでの形質の変動
11.4 サンプリング戦略
 11.4.1 出発点:限界の設定
 11.4.2 サンプリング戦略に関する文献
 11.4.3 環境傾度の「長さ」
11.5 種のアバンダンスと欠損値
11.6 サンプリング戦略を選ぶためのビジュアルガイド

第12章 形質と応用生態学
12.1 生物モニタリング:生物多様性と生態系の健全性
12.2 農業系の形質
12.3 生態系に基づく解決策
 12.3.1 グリーンインフラ
 12.3.2 機能的目標を伴う復元
12.4 生態系への外来種の影響
12.5 生態学のリテラシー

参考文献

索引
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