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苦海のエチカ

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商品説明
魂の底なき深みで交わされる慈しみ。「魂の翻訳者」たちはいかにそれを伝えたのか。未来を生きる子どもたちに受け渡す言葉の探求。

水俣病に苦しむ子どもたちと親たちとのあいだ、魂の底なき深みで交わされる慈しみ。「魂の翻訳者」ともいえる石牟礼道子、ユージン・スミス、緒方正人などの言葉を通じ、わたしたちはその深淵で、子どもたち一人ひとり、それぞれにとりかえのきかない〈あなた〉であることに秘められた善美を受けとめる。そこにある哲学的問いの探求。
目次
はじめに
凡例

一 受苦の現象学――胎児性水俣病を生きる身体
 §1 杢太郎は仏か
 §2 聖地にして荒野へ
 §3 苦海の水平線、その彼方
 §4 杢の身体、石仏の身体
 §5 あるかあらぬか、幻のなかで

二 遊里の芸術学――苦界のいきを反復する意志
 §6 偶さかの永遠
 §7 生き抜くことの善美
 §8 輪廻への意志
 §9 形而上学的時間を求めて
 §10 周造の母はつと岡倉天心 
 §11 すべては美しい

三 救の形而上学――神はわれを見捨てたもうや
 §12 石牟礼道子の倫理学
 §13 社会的思考とは別の仕方で
 §14 正しさの彼方へ
 §15 神々の村、水俣への還り道

四 水俣の存在論――石牟礼道子の私小説と共に
 §16 不条理の形而上学
 §17 名のありてなきものと無
 §18 不知火海の脱底的思索
 §19 水俣のエートスと時間性
 §20 水磔の聖歌、息をすること

五 海陸の死生学――漁村あるいは山村の暮らし
 §21 家族の食事さまざま
 §22 山里の釣りをめぐる時空間
 §23 死と隣り合わせる日常の時間
 §24 死をめぐる神話と悲劇
 §25 漁師は海を恨まない
 §26 食べる、産み育てる、生かされる

六 写真の倫理学――許されざる美は現実なのか
 §27 定言命法、人間たれ
 §28 『MINAMATA』の価値?
 §29 写真が呼ぶ存在論的出来事
 §30 アウラが失われるとき
 §31 ドキュメンタリー写真家の倫理

七 福島の物語論――魂の翻訳は可能か
 §32 あらざるべき、そのあるがまま
 §33 受難としての応答可能性
 §34 魂の翻訳、一人称の語り
 §35 よりそう、許しを請う
 §36 子どもたちからの問いかけ

あとがき

索引(人名/事項)
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