序章
Ⅰ イギリスの遅すぎたEC加盟
Ⅱ イギリスのEC加盟の困難――議会主権と二元論
Ⅲ 押し寄せる大陸からの潮汐
Ⅳ 先行判決におけるせめぎ合い
Ⅴ 議会主権に対するコモン・ローの新潮流の登場
本書の構成
第1部 EUからのブレグジット
第1章 イギリス憲法と2016年国民投票における“国民の残留拒否”の意味するところ
Ⅰ 国民投票からEU条約50条に基づく脱退通告と2018年EU(脱退)法案の提出に至るまでの経緯
Ⅱ 2016年の国民投票における“国民のヴェト”の意味
Ⅲ ヒース政権、EC加盟時に国民投票の回避
Ⅳ ウェストミンスター・モデルの揺らぎ
Ⅴ 史上初めてのウィルソン労働党政権による国民投票の実現
Ⅵ サッチャー首相の登場と保守党の欧州懐疑派の顕在化
Ⅶ キャメロン(保守党)政権の提案する国民投票の国民によるヴェト――1975年国民投票との比較
Ⅷ キャメロン首相による改革プランを振り返る
第2章 ブレグジットとイギリス憲法――2017年ミラー事件の最高裁判決を中心に
Ⅰ 本件提訴に至る経緯と背景
Ⅱ ミラー事件の高等法院合議法廷判決
Ⅲ ミラー事件の最高裁判決
Ⅳ 同事件最高裁判決の判例評釈
Ⅴ 同事件最高裁判決に見るレファレンダム(国民投票)の意味と議会主権
Ⅵ 同事件最高裁判決に見る国王大権の意味と議会主権
第3章 ブレグジット最後の関門――2019年第2ミラー事件から議会の離脱協定の承認まで
Ⅰ ジョンソン首相による議会閉会措置に伴う「第2ミラー事件」
Ⅱ EU脱退に向けての最後の関門――2019年12月12日の総選挙
Ⅲ 司法権の独立とイギリスの新しい最高裁判所に触れて
Ⅳ 新しい最高裁判所の組織と運用
Ⅴ 新しい最高裁判所の性格と意義
Ⅵ ブレグジットで演じた最高裁の役割
第2部 EC加盟と1972年欧州共同体法
第4章 イギリスのEC加盟とその背景
Ⅰ “シックス対セブン”のはざまで
Ⅱ 議会における主権論争にどう対処したか
Ⅲ EC加盟にあたりレファレンダムを斥ける
Ⅳ イギリスにおける議会制定法の必要性
Ⅴ イギリスにおける二元論の厳格性
Ⅵ 二元論についてローマ条約とヨーロッパ人権条約との相違
第5章 議会主権の成立史とダイシー伝統
Ⅰ 議会主権の成立史
Ⅱ 議会主権の確立とダイシーのクラシカルな定義
Ⅲ 議会主権の意味――議会主権は“insular”か
第6章 EC・EU法の直接適用性と優位性の原理の確立
Ⅰ 1963年ファンゲント・エン・ルース社事件に見るEC・EU法の性格――直接適用性の原則
Ⅱ コスタ対電力公社事件判決とEC・EU法の加盟国内法に対する優位性の確立
Ⅲ リスボン条約体制下でのEU法の優位性とEU基本権憲章
第3部 EU基本条約と国内法
第7章 ローマ条約の真の意味――条約と国内法の関係の中で
Ⅰ EU基本条約――ローマ条約と5次にわたる改正
Ⅱ EUの現在の到達点となるリスボン条約
Ⅲ EU基本条約から派生したEU立法
Ⅳ EU法と国内法の関係
第8章 将来のイギリス議会制定法とEU法の関係
Ⅰ 立法権行使抑制論――政府側の見解
Ⅱ 学説に見る議会主権の制約論
Ⅲ 判例の動向――EU法との相剋
最終章 2011年EU法並びにジャクソン事件貴族院判決の傍論に見るコモン・ロー新潮流
Ⅰ ソバーン事件判決のインパクトと2011年EU法
Ⅱ ジャクソン事件判決とコモン・ローの新潮流に見る裁判官の傍論
Ⅲ コモン・ロー・ラディカリズムによる新潮流
むすびに代えて
索引