【読者対象】
本書は、プロジェクトマネジメントに携わる実務者、公共事業やまちづくり、合意形成に関わる行政・企業・地域関係者、ならびにプロジェクトマネジメントを理論的に捉え直したい研究者・学生を主な対象としている。
プロジェクトを計画どおりに進めることの意味をあらためて考え、プロジェクトの本質に向き合いたい読者に向けた一冊である。
【書籍の特徴】
本書は、著者の実践経験と理論的考察にもとづいて、計画や成果物の達成を中心とした枠組みが、多くのプロジェクトにおいてどのような課題を抱えているのかを明らかにする。目的・目標・成果物の関係を整理し、プロジェクトを通して価値がどのように生成されていくのかを描き出す点に、本書の独自性がある。
【各章について】
本書の前半では、ルーティンおよびプロジェクトの基本的な考え方を整理する。中盤では、プロジェクトマネジメントの構造を論じる。後半では、合意形成やステークホルダーとの関係に焦点を当て、価値がプロジェクトのプロセスの中で生成されていくという新たなプロジェクトマネジメントの姿を提示する。
【おもな目次】
第Ⅰ部 人間の行為を捉える枠組み―ルーティンとプロジェクト―/第1章 ルーティンとプロジェクトを理解する/第2章 ルーティンの安定性/第3章 ルーティンとリスク
第Ⅱ部 プロジェクトを立ち上げる/第4章 プロジェクトはなぜ始まるのか―その必要性と構想―/第5章 プロジェクトの構成要素
第Ⅲ部 プロジェクトを動かす/第6章 プロジェクトの推進体制―人と関係のデザイン―/第7章 プロジェクトを動かす中核的営み―コアマネジメント―/第8章 複数のプロジェクトをどう束ねるか―プログラムとポートフォリオ―
第Ⅳ部 プロジェクトマネジメント理論の歴史的展開/第9章 プロジェクトマネジメントの理論はどのように発展してきたか
第Ⅴ部 価値生成変動時代のプロジェクトマネジメント/第10章 価値生成のプロセスとプロジェクトマネジメント/第11章 危機の時代の価値生成型プロジェクトマネジメントの意義と役割
【読者へのメッセージ】
本書は、プロジェクトマネジメントの既存の知見と実践を確実な土台としながら、現場の経験と理論の往復を通して、現代のプロジェクトが直面する課題に応答する新たな視座を提示している。プロジェクトを計画や成果物の達成として捉えるだけでなく、その過程において目的が問い直され、関係者との相互作用のなかで価値が生成されていく営みとして描き出すことを試みた。プロジェクトとは何か、マネジメントとは何かをあらためて考えたい読者に、本書がプロジェクトについての思考を深めるための確かな手がかりとなることを願っている。
【本書のキーワード】
プロジェクトマネジメント/計画の遂行/目的と目標/成果物/合意形成/ステークホルダー/公共プロジェクト/まちづくり/PMBOK/価値創出/価値生成