漆黒の中に秘められた「調和」の心
織田信長が台頭した天正の世、
キリスト教の布教のため黒人従者のマトぺ(弥助)とともに
日本に赴いたイタリア人巡察師のヴァリニャーノ。
その心には常に、ローマ教会音楽を確立させた
音楽家・パレストリーナの教えがあった。
時を同じくして、千宗易(のちの千利休)は「御茶湯御政道」によって
時の権力者たちの信頼を勝ち取りながらも、
万人が分け隔てなく楽しめる真の茶道を追求していた。
信じるものは異なっていても、安寧な世を求める心は等しい。
波打つ時代の狭間で両者の心が邂逅するとき、
海を越えて歴史が大きく動き出す。
日本と西洋が出会った天正の時代を情緒豊かに紡いだ歴史物語。
プロローグ 黒き家来/パレストリーナ/ジャンネット/黒き尉面/
九十九髪/朝鮮渡海/ローマ神学校/旅立ち/信長/長次郎と専好/
日本人は黒いか/信長との出会い/天正遣欧使節団/本能寺/黒き庵/
永徳と等伯/利休/黒き茶碗/ローマへの道/東方からの賢者/帰路/
蜜月/黒き棗/エピローグ 音楽のプリンス