• 発売日:2023/07/07
  • 出版社:人文書院
  • ISBN:9784409241585

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入管を問う

入管を問う

通常価格 2,420 円(税込)
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商品説明
入管行政の権力神話を解体する

「不法滞在者」はいかなる暴力を受けても仕方がないのだろうか。なぜ、収容者の命がけの訴えは信用されないのか。そもそも入管法違反とは悪なのか。多角的な観点から入管政策を問い直し、その特質と構造を明らかにする。入管行政によって排除された無登録移民が「社会的に生きられる」社会を実現するための嚆矢となる一冊。

「政治的に存在しなければ、国民国家という政治社会秩序のなかでは、存在していないのと同じことである」と述べたのは、みずからも移民出身の社会学者アブデルマレク・サヤドである。政治的な存在として認知されなければ、社会的な存在をも否定される、とサヤドは論じる。実際、マイノリティは発言しても顧みられることがないし、そもそも発言の場そのものが、与えられてこなかった。新聞や雑誌、テレビなどマスコミの媒体で、意見を求められ、発言の機会が与えられるのは、多くの場合、「有識者」である。誰の意見が「聞くに値する」か誰の発言に「正統性」があるか、これらの判断にあたっては、本書で議論したように、認識的不正義が作用する。その結果、公共空間で発言する機会は、平等に配分されないのである。(「おわりに」より)

◎目次
はじめに  髙谷幸・岸見太一
第1章 入管行政と無登録移民現代日本における「人権のアポリア」  髙谷幸
  収容と追放のながれ 
第2章 仮放免者の生活国家からの排除/市民社会への包摂  稲葉奈々子
第3章 収容所とは何か  髙谷幸
  入管収容所の歴史 
第4章 なぜ収容者の訴えは信用されないのか感情労働現場としての収容施設における認識的不正義  岸見太一
第5章 収容所内での抵抗ハンガーストライキ  稲葉奈々子
第6章 「剥き出しの生」への縮減に抗して無登録移民の生の保障をめぐる人権と人道  髙谷幸
第7章 許可なく暮らすことは悪いことなのか政治理論から入管政策を考える  岸見太一
おわりに無登録移民が「社会的に生きられる」社会へ  稲葉奈々子
あとがき
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