【本書の紹介】
ほとんどの相続税申告では,土地の路線価評価作業が出てきます。相続税申告専門の税理士事務所であれば,専担のスタッフもいて,朝飯前にできるかもしれませんが,そうでない事務所の場合,毎月のクライアント訪問業務,記帳・決算業務のかたわらで行わなければならず,担当者にとっては時間的にも精神的にも相当なプレッシャーになるのではないでしょうか。
また、これらの作業は手計算でもできますが,慣れていないと,図面や三角スケールとにらめっこばかりで一向に前に進まない,一通りできたけれども間違いが多くて評価資料としては全く使えないということが起こります。
手計算自体は悪いことではなく,難解な財産評価基本通達の文章を身をもって理解するという点では是非とも経験しておくべきことなのですが,その精緻さや再現性の高さの点ではCAD等には到底及びません。
本書では,フリーソフトであるJw_cadを使った作図の方法をご紹介しています。フリーソフトとはいえ,Jw_cadは,建築士の設計業務に対応できるもので,その機能は非常に多岐にわたっています。著者が今まで相続税申告で利用してきた経験を踏まえ,はじめてCADソフトを利用する方にもなるべく理解しやすいよう,図を多く掲載しながら解説を進めています。
【著者プロフィール】
新富達也
税理士・不動産鑑定士。平成5年埼玉大学経済学部卒業後東京国税局採用。平成12年不動産鑑定士試験合格後,一般財団法人日本不動産研究所にて様々な類型の不動産鑑定評価を経験したのち,有限会社フィールズ鑑定法人において資産税関連の不動産鑑定に多く携わる。平成23年税理士試験合格後,信託会社,税理士法人で相続税申告のほか,遺言書作成,遺産整理等の相続関連業務に従事。平成30年に独立開業。現在は,相続を中心とする税務業務・不動産鑑定業務の傍ら税理士等からの相続税評価実務に関する相談等を多く行っている。
【目次】
第1回 宅地の路線価評価におけるCADの活用
第2回 CADを使用するために必要な図面を集める
第3回 図面をCADに読み込みできるデータ(ビットマップ)にする
第4回 保存したビットマップをCADに読み込む(Jw_cadの設定編)
第5回 保存したビットマップをCADに読み込む(読み込み編)
第6回 基本的な図面の描き方(敷地境界線を描く)
第7回 想定整形地を描く
第8回 対象地の間口と奥行を計算する
第9回 かげ地割合を算出し奥行の計算過程を入力する
第10回 要セットバック部分を描く
第11回 都市計画道路拡幅予定地を描く
第12回 屈折路に接面する宅地の間口距離等を求める
第13回 がけ地補正率を求める
第14回 傾斜地の傾斜度を求める
第15回 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価を行う
第16回 成果物を綺麗に仕上げる