子どもと創る「国語の授業」2020年 No70

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子どもと創る「国語の授業」2020年 No70
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〈提起文より〉

特集:読みの授業を変える振り返り


 ある読みの授業のひとコマ。授業の始まりに学習のめあてが示される。そして、教材文を読んだ後、読み取ったことを通して考えのやりとりをする。最後に、学習のまとめをして振り返りを書く。子どもたちは、「今日の学習では○○ということが分かった。次は今日の学習を生かして△△について考えたい」というように……。

 また、学校や地域レベルで「○○スタンダード」や「○○方式」と銘打ち、読みの授業の型が示されているところが増えているとも聞く。そうすることで、一定の質の授業が保障され、子どもたちも学習の見通しをもって進められるからなのだそうだ。そこでは、型から逸脱することなく授業を展開していくことが求められる。振り返りもこの型の中に組み込まれ、おこなわれている。しかし、このような振り返りで本当によいのだろうか。ここには、次のような問題点が存在する。

 まず、振り返りが形骸化しているという問題点だ。「振り返りをおこなうのは、……という理由からだ」、「次の学びに活かすため、……ということを振り返らせる」というような明確な意図がなく、先にも述べたような「型に則った展開」がされていく。しかし、それぞれの教材の特性や、どのような言葉の力を付けていきたいかによって、振り返りの内容や方法は変わるはずである。毎回、授業の感想を書いて終わるような振り返りでは、活動そのものが形骸化してしまっていると言えるだろう。

 次に、型ありきの展開では、振り返りの必然性が生まれないという問題点である。振り返りが学習のまとめに付随するだけの活動になっていて、学習者である子どもたちに、振り返りをおこなう必要感がないまま、活動の指示が出される。子どもたちが、自己の学びを自覚し、次の学びにつなげていくようにするには、どうして振り返りをおこなうのか、振り返りをすることのよさは何なのかを実感できるようにしていく働きかけが必要であると言えるだろう。

 これらの問題を解決していくには、教師が「明確な意図(ねらい)をもって振り返りを設定すること」や、「振り返りの大切さを子どもたちが実感できるように工夫していくこと」が重要である。そうすることで、学習のめあてやまとめも含め、「型ありき」だった授業が変わっていく。つまり、読みの授業そのものが変わっていくのではないだろうか。

 そこで、本特集では、読みの授業における振り返りの在り方に目を向ける。振り返りを教師としてどのようにとらえ、実践していく必要があるのか。学習者である子どもたちに振り返ることの必要感をもたせるにはどんな手立てを講じるべきなのか。振り返りを研究する立場、授業実践の立場から、それぞれ論じていただいた。(弥延浩史)
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