2004年完結した『衞藤瀋吉著作集』(全10巻)の別巻。読者・研究者から寄せられた要望に従って作成した総索引・総目次に加え、著作集未収録作品のうち、エッセイ・学界紹介など、編集委員会よりどうしても捨て難いという声が挙がったものを掲載する。
●編著者のことば
頼山陽は18歳のとき、故郷広島を出て江戸に向った。旅の途中「分明ナリ攻守千年ノ勢、著論誰カ追ハン賈誼ノ風」と詠じて、前漢の文章家賈誼に及ぼうとの抱負を示した。私も及ばずながら、……朝貢国家体制や、欧米列強の創り出した植民地体制を解析したいと思っていた。そのため視野を少しでも広くし、やがては人に抜きん出た歴史家になりたいという願いがあった。……私は誰にでもわかる文章で歴史を書こうと心ひそかに決心した。そして、晦渋な文章は、おのれの頭脳が明晰でなく、十分に対象を咀嚼していないからだ、と自ら戒めた。爾来、文章をやさしく書くことに心がけて今日に至っている。(「著作集ができるまで」より)