清末から20世紀初頭、話劇成立の過程を分析清末から20世紀初頭にかけて、中国において新しい演劇形態であった「話劇」がいかに成立し、受容され、発展していったか。話劇の成立を考察するうえで重要な演劇事象を抽出し、さまざまな資料を用いて分析し検討を加える。巻末には早期話劇において重要な役割を果たした「進化団新新舞台上演演目一覧」や「申報劇評目録(文明戯)」等の資料、さらには詳細な索引を付す。
●編著者のことば
本論文は中国話劇成立史研究であって中国話劇成立史ではない。従って、本論文は十九世紀末に始まる中国演劇の近代的変質の開始から二十世紀二十年代半ばの話劇の確立に至る演劇史をまんべんなく記述することを目的とはしていない。話劇の成立を考察するうえで私が重要と考えた演劇事象をいくつか抽出して、検討したものである。(中略)話劇とは、「対話とそれに伴う身体動作に基づく演劇」という演劇形態である。この話劇という用語は、日本語の近代劇、新劇という用語と意味内容がおおむね共通している。日本の演劇学者、演劇評論家からは、話劇という演劇用語はこの演劇形態の本質を表現しており、日本の新劇などよりも優れているという指摘がでている。(「まえがき」より)