• 発売日:2025/03/24
  • 出版社:南江堂
  • ISBN:9784524228614

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基礎運動学テキスト

基礎運動学テキスト

細田多穂 (監修)
藤縄理 (編集)
濱口豊太 (編集)
金村尚彦 (編集)
阿南雅也 (編集)
通常価格 5,610 円(税込)
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商品説明
リハビリテーション養成課程の学生に必要な運動学のエッセンスを解説.わかりやすい解説,豊富な図表,臨床につながる内容を紹介したコラムなど,初学者がイメージして学べるよう工夫を凝らした一冊.

【序 文】 *抜粋・改編
 人間の動きを科学的に理解することは,リハビリテーション専門職にとって必要不可欠な基礎能力です.運動学は,この人間の動きを多角的に理解するための中核となるものです.運動学は,解剖学的構造,生理学的機能,力学的特性を統合して学ぶことができます.実際の運動は心理的要因や社会的背景の影響を受けることから,これらの視点も含めた包括的な理解が求められます.

 一方で,高等学校教育に選択の幅が広がり,学生のなかには理科科目のうち生物,化学,物理の一部だけを履修していて,入学後の解剖学や生理学,運動学の基礎である力学に苦手意識をもつ人も少なくありません.そこで本書では,これらの基礎知識の学習が不十分であっても理解できるよう,豊富な図表と段階的な説明を用いて,基礎から応用まで体系的に学習できる構成としました.

 本書の構成は全3部,18章からなっています.第Ⅰ部は運動学の基礎として,第1章の運動学とリハビリテーションでは医療専門職にとっての運動学とその必要性を述べています.第2章の生体力学では解剖学と生理学を基礎とした運動に関する力学について,高校で物理学を専攻していなかったり,社会人から新たに学習を始めたりした皆さんにも分かりやすくなるように解説しています.第3章は神経筋骨格系の機能がどのように運動に関係しているかを説明しています.第4章では運動と呼吸・循環・代謝について理解を深められるように述べています.

 第Ⅱ部は運動の構造と機能について,第5章 顔面の運動,咀嚼・嚥下,第6章 頭部と脊柱の運動,第7章 胸郭と呼吸運動,第8章 肩複合体の運動,第9章 肘・前腕の運動,第10章 手・手部の運動,第11章 骨盤・股関節の運動,第12章 膝関節複合体の運動,第13章 下腿,足部・足関節の運動として各部位の運動について,骨格がどのように運動しているかという骨運動学(Osteokinematics)の視点と,骨運動の際に各関節内でどのような運動が起こっているかという関節運動学(Arthrokinematics)の視点から解説しています.

 第Ⅲ部は運動学の応用として,第14章 感覚と運動,第15章 運動発達と姿勢反射,第16章 姿勢と姿勢制御,第17章 基本動作と歩行,第18章 身体運動分析からなっています.実際の臨床において,運動学がどのように関わってくるかを説明しています.

 最後に本書の企画と編集に多大なご尽力をいただいた南江堂の担当各氏に深く感謝いたします.

令和7年2月
編集者一同
目次
【監修のことば】
 近年,高齢社会を迎え,理学療法士・作業療法士の需要が高まっている.したがって,教育には,これらを目指す学生に対する教育の質を保証し,教育水準の向上および均質化に努める責務がある.

 その一方で学生には,学習した内容を単に“暗記する”だけでなく,“理解して覚える”ということが求められるようになってきた.そのため講義で学んだ知識・技術を確実に理解できる新しい形の教科書として,理学療法領域の専門科目を網羅した「シンプル理学療法学シリーズ」が刊行された.

 そして,このたび,このシリーズと同じ理念のもとに理学療法士・作業療法士の共通基礎科目の教科書シリーズとして「シンプル理学療法学・作業療法学シリーズ」が刊行される運びとなった.

 編集にあたっては,「シンプル理学療法学シリーズ」と同様に以下の5 点を特徴とし,これらを過不足のないように盛り込んだ.

1 . 理学療法・作業療法の教育カリキュラムに準拠し,教育現場での使いやすさを追求する.
2 . 障害を系統別に分類し,障害を引き起こす疾患の成り立ちを解説した上で,理学療法・作業療法の基礎的なガイドラインを提示する.このことにより,基本的な治療原則を間違えずに,的確な治療方法を適応できる思考を養えるようにする.
3 . 実際の講義に即して,原則として1 章が講義の1 コマにおさまる内容にまとめる.さらに,演習,実習,PBL(問題解決型学習)の課題を取り込み,臨床関連のトピックスをラム形式で解説する.また,エビデンスについても最新の情報を盛り込む.これらの講義のプラスアルファとなる内容を,教員が取捨選択できるような構成を目指し,さらに,学生の自習や発展学習にも対応し,臨床に対する興味へつながるように工夫する.
4 . 網羅的な教科書とは異なり,理学療法士・作業療法士を目指す学生にとって必要かつ十分な知識・技術を厳選する.長文での解説は避け,箇条書きでの簡潔な解説と,豊富な図表・写真を駆使し,多彩な知識をシンプルに整理した理解しやすい紙面構成になるように努める.
5 . 学生の理解を促すために,キーワード等により重要なポイントがひとめでわかるようにする.また,予習・復習に活用できるように,「調べておこう」,「学習到達度自己評価問題」などの項目を設ける.

 また,いずれの理学療法士・作業療法士養成校で教育を受けても同等の臨床遂行能力が体得できるような,標準化かつ精選された「理学療法・作業療法教育ガイドライン=理学療法・作業療法教育モデル・コアカリキュラム」となり得ることをめざした.これらの目的を達成するために,執筆者として各養成施設で教鞭をとられている実力派若手教員に参加いただいたことは大変に意味深いことであった.

 既存の教科書の概念を刷新した本シリーズが,学生の自己研鑽に活用されることを切望するとともに,理学療法士・作業療法士の養成教育のさらなる発展の契機となることを期待する.

 最後に,発刊・編集作業においてご尽力をいただいた諸兄に,心より感謝の意を表したい.

令和7年2月
埼玉県立大学名誉教授 細田 多穂



【序 文】
 人間の動きを科学的に理解することは,リハビリテーション専門職にとって必要不可欠な基礎能力です.運動学は,この人間の動きを多角的に理解するための中核となるものです.運動学は,解剖学的構造,生理学的機能,力学的特性を統合して学ぶことができます.実際の運動は心理的要因や社会的背景の影響を受けることから,これらの視点も含めた包括的な理解が求められます.

 一方で,高等学校教育に選択の幅が広がり,学生のなかには理科科目のうち生物,化学,物理の一部だけを履修していて,入学後の解剖学や生理学,運動学の基礎である力学に苦手意識をもつ人も少なくありません.そこで本書では,これらの基礎知識の学習が不十分であっても理解できるよう,豊富な図表と段階的な説明を用いて,基礎から応用まで体系的に学習できる構成としました.

 本書の構成は全3部,18章からなっています.第Ⅰ部は運動学の基礎として,第1章の運動学とリハビリテーションでは医療専門職にとっての運動学とその必要性を述べています.第2章の生体力学では解剖学と生理学を基礎とした運動に関する力学について,高校で物理学を専攻していなかったり,社会人から新たに学習を始めたりした皆さんにも分かりやすくなるように解説しています.第3章は神経筋骨格系の機能がどのように運動に関係しているかを説明しています.第4章では運動と呼吸・循環・代謝について理解を深められるように述べています.

 第Ⅱ部は運動の構造と機能について,第5章 顔面の運動,咀嚼・嚥下,第6章 頭部と脊柱の運動,第7章 胸郭と呼吸運動,第8章 肩複合体の運動,第9章 肘・前腕の運動,第10章 手・手部の運動,第11章 骨盤・股関節の運動,第12章 膝関節複合体の運動,第13章 下腿,足部・足関節の運動として各部位の運動について,骨格がどのように運動しているかという骨運動学(Osteokinematics)の視点と,骨運動の際に各関節内でどのような運動が起こっているかという関節運動学(Arthrokinematics)の視点から解説しています.

 第Ⅲ部は運動学の応用として,第14章 感覚と運動,第15章 運動発達と姿勢反射,第16章 姿勢と姿勢制御,第17章 基本動作と歩行,第18章 身体運動分析からなっています.実際の臨床において,運動学がどのように関わってくるかを説明しています.

 本書の前身となる『運動学テキスト』は2010年4月に発行され,幸いにも多くの養成校で使用していただき,2015月11月には改訂第2版を発行しました.改訂第2版も多くの方々に支持をいただいてきましたが,一方で,養成校の講義体系にあわせて「基礎運動学」と「臨床運動学」の内容を分けてほしいという要望も多くありました.そこで,その要望にお応えして『運動学テキスト』を『基礎運動学テキスト』と『臨床運動学テキスト』に分冊化し新たなスタートを切ることになりました.

 最後に本書の企画と編集に多大なご尽力をいただいた南江堂の担当各氏に深く感謝いたします.

令和7年2月
編集者一同

【主要目次】
第Ⅰ部 運動学の基礎
1 運動学とリハビリテーション
A 運動学とはどのような学問か
B 運動のとらえ方
C 理学療法・作業療法・言語聴覚療法における運動学の重要性
D 人間の行動と姿勢,運動,動作,行為
E 骨と関節の運動の分析
2 生体力学
A 物体の運動
B 身体の運動
C 身体運動の量・能力
3 神経筋骨格系の機能
A 関節の構造と機能
B 筋の構造と機能
C 筋収縮のしくみと筋出力のメカニズム
D 運動における神経系の機能
4 運動と呼吸・循環・代謝
A 運動のためのエネルギー供給機構
B 運動と呼吸
C 運動と血液ガス
D 運動と循環
E 運動と体温
F トレーニング効果

第Ⅱ部 運動の構造と機能
5 顔面の運動,咀嚼・嚥下
A 機能解剖
B 運 動
C 運動に作用する筋
D 咀嚼機能
E 嚥下機能
6 頭部と脊柱の運動
A 機能解剖
B 骨運動学
C 関節運動学
D 運動に作用する筋
7 胸郭と呼吸運動
A 呼吸とは
B 機能解剖
C 胸郭と腹部の運動
D 吸気筋と呼気筋
8 肩複合体の運動
A 機能解剖
B 骨運動学
C 関節運動学
D 運動に作用する筋
9 肘・前腕の運動
A 機能解剖
B 骨運動学
C 関節運動学
D 運動に作用する筋
10 手・手部の運動
A 機能解剖
B 骨運動学
C 関節運動学
D 運動に作用する筋
11 骨盤・股関節の運動
A 機能解剖
B 骨運動学と関節運動学
C 運動に作用する筋
12 膝関節複合体の運動
A 機能解剖
B 骨運動学
C 関節運動学
D 運動に作用する筋
13 下腿,足部・足関節の運動
A 機能解剖
B 骨運動学
C 関節運動学
D 運動に作用する筋

第Ⅲ部 運動学の応用
14 感覚と運動
A 感覚と運動の基本事項
B 感覚と運動の相互作用
C 運動学習
15 運動発達と姿勢反射
A 運動発達
B 運動発達と姿勢反射
C 姿勢反射の評価方法
D 姿勢反射と運動発達
16 姿勢と姿勢制御
A 姿勢と姿勢制御の定義
B 姿勢制御の理論的背景
C 静的バランスと動的バランス
D 予測的姿勢制御
17 基本動作と歩行
A 基本動作の種類
B 基本動作分析の流れ
C 基本動作分析の実際
D 歩  行
18 身体運動分析
A 身体運動分析法総論
B 床反力計,三次元動作解析装置による分析法
C モーションセンサーによる分析法
D 筋力測定装置による分析法
E 筋電図計による分析法

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