「神の手」として高名な著者が積み重ねてきた知識と技術の集大成.上肢・手の外科領域の中でも肘関節に焦点を当てた初版の構成を踏襲し,解剖理解から手術アプローチ,骨折をはじめとする多様な外傷・障害を網羅.病態の見極め,的確なタイミングでの手術,患者がたどる長期予後にいたるまで,今も研鑽を続ける著者の長年の経験に裏打ちされた,すべての整形外科医が一読すべきバイブルである.
【改訂第2版の序】
『肘関節外科の実際』を書き上げて,いつの間にか11年も経ってしまった.
「改訂版を出されたらいかがですか?」と南江堂の枳穀さんに話しかけられたのは,たぶん学会場でお会いした時だったと思う.
初版を刊行してからいくつか工夫・改善した手術法を考えると,「陳旧性Monteggia骨折と尺骨鉤状突起骨折に対する手術くらいだったかな? それに骨切り術もちょっと便利になったな」等と思い出した.それに,関節リウマチの手術は大きく減ったため,記述を縮小して臨床の実情に沿った内容とした.また,後骨間神経,前骨間神経における“くびれ”の発見・治療のパイオニアとなられた諸先生の業績に関する記述が不十分であったので,この改訂版で加筆させて頂いた.
術中のカラー写真も,全て自分で撮影したもので自信があったが,編集部の皆さんが若干暗い画像があるのに気がつき,明るく鮮明な画像に補正して下さった.
この改訂版が,少しでも諸先生の日常診療のお役に立てれば幸いである.
2022年11月
伊藤惠康