2025年農林業センサス(日本の農林業の生産・就業構造や農山村地域の実態を把握するため5年ごとに行なわれる全国一斉の統計調査)の概要が同年11月に公表された。大規模経営への農地集積が進む一方で、農業経営体数は82.8万と、初めて100万を大きく切ってしまった。前回の2020年センサスとの比較では2割以上の減少である。耕地面積のさらなる減少も判明した。2024年に改正された食料・農業・農村基本法は食料安全保障を前面に打ち出してきたが、そのための必須の基盤は農地と担い手の確保だ。だが、センサスの結果は厳しい現実を突き付けた。果たして今後、農業の担い手はどうなるのか、どのような対策が必要なのか。具体的な展望を探るべく、第一線の識者や現場の農業委員の見解を伺い、多面的に検証した全4回の研究会の記録。
各回の講師と内容は次のとおり。
○第1回 日本農業はだれが支えるのか -担い手減少の実態と新たな担い手の確保対策-
門間敏幸氏(元東京農業大学副学長)
農業経営、地域農業を追求してきた立場から、センサス結果の分析、将来予測、「多様な担い手」の分類と特徴、さらに政策課題などを語る。
○第2回 現場から考える 担い手の実像と今後の課題
笠原尚美氏(新潟県阿賀野市農業委員会 会長職務代理)
笠原氏は農業委員として農地貸借・売買のあっせんを20年以上手がけ、「地域計画」策定・ブラッシュアップの話し合いにも関わり続けてきた。現場から考える「担い手」の現状と今後の課題をリアルに語る。
○第3回 異業種農業参入の実態と担い手への可能性
古田恒平氏(東京農業大学助教)・大仲克俊氏(岡山大学准教授)
近年増加している異業種からの農業参入の実態を検証し、日本農業の担い手としてどのような可能性があるのかを2人の専門家が報告。
○第4回 地域計画から見る担い手の現状とこれから
稲垣 照哉 氏(全国農業会議所 前専務理事)
10年後の農地の担い手を農地ごとに明確化する「地域計画」。その策定結果から見える将来の担い手像とその課題とは? 「地域計画」の策定支援・推進や食料・農業・農村基本計画への反映などに取り組んできた第一人者が語る。