熱のない人間 治癒せざるものの治療のために

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商品説明
治療の目的は病いの治癒であり健康の回復だが、治療は必ずしも治癒をもたらさない。多発性の関節炎を伴う自己免疫疾患に苦しむ自身の体験から書かれた本書は、現代の医療がその中心的目標とする「治癒」の概念、その基底にある「健康」観、「生命」観を問い直す。「治癒をもたらすことなく治療することは可能か」。治療の技術が、病む人の生に寄り添うものとなるために、新たな哲学が誕生する。
目次
前言
 治癒をもたらすことなく治療することは可能か
 治療とは治癒をもたらすことではない
 人間、病理学的動物としての
 すべてを治療するという幻想
 傷つきやすさに寄り添う治療

第Ⅰ部 社会を治癒させる、新しいユートピア
第1章 病いなき人間
 人間を改良する
 私たちの見知らぬ身体
 解剖学の教え

第2章 完璧な健康、不可能な健康
 医療の大量摂取? 医療化過剰についての批判
 あら皮
 義務としての、労働としての健康
 保証としての医療

第3章 治療の領域の拡張
 思想の舞台における「ケア」
 脆弱さと傷つきやすさ
 些末なことで騒いでいる?「知ったことじゃない(Who cares?)」
 患者の自律性──問い直される治療の政治

第Ⅱ部 治療することと苦しめること、治癒をもたらすことなく治療すること
第1章 治療の中の暴力
 試練としての治療──侵入の暴力、剝奪の経験
 戦場に足を踏み入れる
 皮を剝がれた人間
 侵入者
 寄生的暴力
 社会的諸関係の暴力の再生
 制度的暴力
 「取るに足らない」暴力

第2章 苦しむ治療者たち
 治療と恐怖
 医療教育、あるいは暴力への参入儀礼
 死を飼い慣らす──エロスとタナトス
 嘲弄、暴力へのもうひとつの応答
 傷つきやすい治療者たち
 自己を危険にさらす
 治療の起源としての苦しみ?
 介護者の疲れ
 消耗と躍動のあいだにある治療

第3章 治癒をもたらすことなく治療すること
 治療の無益さ、選択の重さ
 死にゆく者の孤独
 治癒せざるものの医療
 最後まで治療を担う

結論──人々はますます病んでいるのだろうか

訳者あとがき
訳注
原注
参考文献
事項索引
人名索引
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