生殖医療・生命・セクシュアリティ

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商品説明
生殖医療大国の日本において人権保護の観点から法制定と政策を考えることは喫緊の課題である。生殖医療の進展は、多様な人権の衝突、生命や家族概念の再考、将来の人類への影響等の課題を提起している。本書は生命・身体・セクシュアリティに関わる生殖医療、性別確認検査、健康権、母子保健、中絶、第三者の介入する生殖医療、フランスの代理懐胎を取り上げて考える。
目次
はじめに

第Ⅰ部 生殖医療の法制化における人権

第1章 生殖補助医療の法制化における生命倫理と法 【建石真公子】

はじめに

Ⅰ 生殖補助医療の進展と法整備の必要性
1. 生殖補助医療の進展
2. 科学の進展における人権課題
3. 生殖補助医療と法に関する二つの考え方

Ⅱ 日本の生殖医療と法の特徴と現状
1. 日本の生殖医療における法整備の遅れと裁判所による法形成
2. 国際社会から見た日本の生殖補助医療の特徴
3. 「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」4条における「生命倫理」の意義

Ⅲ 欧米における生命倫理と生命法
1. アメリカにおける生命倫理・医療倫理の登場
2. 欧州における生命倫理から生命倫理法へ
3. 新しい医科学技術に対する基本的権利

おわりに

第2章 フランス生命医療分野における健康保護の位置付け 【土屋仁美】

はじめに――生命倫理問題に対する二つの法的対応と日本の状況

Ⅰ フランス憲法における健康保護の発展の経緯と論点
1. フランスにおける健康に関わる憲法議論
2. 1946年憲法前文11項の特徴と健康保護に関する三つの論点

Ⅱ 1946年憲法前文11項の法的性質
1. 憲法院判決による明確化の必要性
2. 憲法院判決における健康保護の法的性質

Ⅲ 個人的側面としての健康への権利――享有主体としての女性と子ども
1. 個人的側面としての健康への権利の論点
2. 健康への権利の享有主体としての女性と子どもの自由権的側面
3. 健康への権利の請求権的側面
4. 合憲性の優先問題における健康への権利の援用
Ⅳ 集団的側面としての健康保護への権利
1. 憲法院判決における健康保護の集団的側面――一般利益としての公衆衛生
2. 健康保護分野における一般利益としての公衆衛生の優位性
3. 健康保護分野における立法裁量と憲法院による審査
おわりに

第3章 母子保健に関する公衆衛生 【和田耕太郎】

はじめに
Ⅰ 健康と健康権
1. 健康の定義
2. 権利としての健康
3. 健康に対する公的責任
4. 健康権
5. 健康権と児童の健康
Ⅱ 公衆衛生と母子保健
1. 公衆衛生とは
2. 母子保健の意義
3. 女性の健康づくりと公衆衛生
Ⅲ 母子保健と法律
1. 生存権
2. 母子保健に関わる法律
3. 母子保健行政施策の経過
おわりに

第Ⅱ部 生命・セクシュアリティと法規範

第4章 妊娠中絶と医師の良心――ポーランドにおける言説と現実 【小森田秋夫】

はじめに――問題の所在

Ⅰ 「中絶の妥協」
1. カトリックの勝利と93年家族計画法
2. 「中絶の妥協」を変更する試み
3. 「中絶の妥協」の現実
4. 欧州人権裁判所の判決

Ⅱ 妊娠中絶と医師の良心
1. 医師法における「良心条項」
2. 科学アカデミーと司教協議会
3. 憲法訴訟

Ⅲ 「中絶の妥協」の崩壊
1. 「黒い抗議」
2. 「優生学的中絶」違憲判決
3. 「中絶の妥協」崩壊後の新たな現実

おわりに――立法的解決を超えて

第5章 身体への介入としての科学――スポーツにおける性別確認検査を中心に 【來田享子】

Ⅰ はじめに

Ⅱ 医科学には何が望まれたのか――「性別確認検査」の起点
1. 1960年代後半の競技会における検査の制度化
2. 性別確認検査に対する最も初期の認識――1936年Time 誌の記事
3. ブランデージの認識の核心とスポーツ組織への影響
4. スポーツへの医科学の接近

Ⅲ 新たな基準に基づく制度の再設計と医科学の介入
1. 性別確認検査の廃止と新たな指標「テストステロン」
2. Dutee Chand v. AFI & IAAF 事件
3. 「科学的根拠」がもたらす背理法的な混迷
4. 科学的根拠の妥当性をめぐる相克

Ⅳ おわりに

第Ⅲ部 第三者の介入する生殖補助医療の課題

第6章 第三者の介入する生殖医療――医学的・倫理的側面 【久具宏司】

Ⅰ はじめに

Ⅱ わが国における生殖医療の進歩

Ⅲ 医学的リスク
1. 卵子提供に伴うリスク
2. 精子提供に伴うリスク
3. 代理懐胎に伴うリスク

Ⅳ 技術の対象者
1. 卵子提供の対象者
2. 精子提供の対象者
3. 代理懐胎の対象者
4. 性別を超えて拡張する対象者

Ⅴ 協力する第三者

Ⅵ 倫理的な懸
1. 代理懐胎に付随する懸念
2. 対象者選別にあたっての懸念
3. 商行為への誘因
4. 優生思想の入り込む余地
5. 代理懐胎の対象者の拡張
6. 出生児の遺伝的親を知る権利と提供者の匿名性
7. 提供配偶子(精子・卵子)の保管と死後生殖
Ⅶ 国・地域による差
Ⅷ 今後の課題
Ⅸ おわりに

第7章 フランスにおける代理懐胎に関する法の変遷 【ティエリー・S・ルノー 翻訳 建石真公子】

Ⅰ GPA:フランスでは依然として法によって禁止されている

Ⅱ 海外で実施されたGPA の法的効果の漸進的承認

Ⅲ 欧州人権裁判所がGPA の法的効果の射程に与える影響

Ⅳ 「依頼母親」に関する子との親子関係についての微妙な問題

Ⅴ 「母親は出産する者である」(Mater semper certa est)という原則への挑戦に向けて
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