技術的対象の発生が向かう先(サンス)を理解することで、美的対象や生物のものとは別の存在論的身分を技術的対象に付与しなければならない。そのとき、人間が技術的現実(レアリテ)とむすぶさまざまな関係を、とりわけ教育と教養の観点から研究することが可能となる。だが、人間と世界とのすべての根本的な関係を分析することで、技術性それ自体の発生もまた理解されなければならない――
(2012年版紹介文より)
フランスの哲学者G・シモンドンの主著である本書は、そのきわめて高い独創性によって技術についての哲学的反省を根本から決定的に変えた。技術的現実が提起してきた、そして提起し続けているさまざまな問題に診断を与えている本書は、アクチュアルな思考にとって無視することのできない重要文献となっている。
1958年に初版が刊行されて以来、多数の言語に翻訳され、活発に読解・注釈がなされているフランス技術哲学の古典、待望の邦訳。