行間を読む、行間に書く

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行間に書かれているものを解読したいのであれば、行間を読む術を習得しなければならない。コンピュータが人間の記憶概念を変える時代、見せかけと包み隠しを見抜くには。
著者は偶然見つけた細部から出発し、闇の中で期待のもてそうな小径を一歩ずつ進んできたという。残存している断片を探し求め、過去へアクセスする手がかりとする。例外は規則を内に含んでいるから規則の解読に役立つ。絵画の鑑定では、筆の勢いや「小指のひだにできたしわ」のような機械的な部分が鍵になる。
記憶の政治はグローバリズムの世界で重要性を増すが、歴史と記憶の境界をぼやかす傾向が強まっている。『贈与論』のモースはなにを読んできたか、どのように読まれてきたか。神話学の権威エリアーデが戦前に極右団体「鉄衛隊」と親密な関係にあったという近年の「暴露」は彼の著作群にどう影響するか。なぜ複製はオリジナルの自由闊達さを模倣できないか。
著者のテーマは多岐にわたるが、専門的知識よりも《なにも知らなくて、いままさになにかを学び始めようとしている感覚》と結びついた《無知であることの幸福感》こそ夢中にさせる経験なのだという。
歴史家が自己形成の歩みとともに、探求のテクニックを明かす実践論考集である。
目次
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第一章 記憶とグローバリゼーション
第二章 コンウォルウルスとユリ――動態的形態学の一実験
第三章 モースはなにを読んできたか、そしてどのように読まれてきたか
第四章 プルーストの読者たち
第五章 ミルチャ・エリアーデの曖昧な遺産
第六章 行間を読む、行間に書く――シュトラウス/カンティモーリ
第七章 図式、先入見、二重盲検――一歴史家の省察
第八章 機械的痕跡――鑑定法の含意するものについて、ふたたび

編訳者あとがき
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