続・道徳教育はいかにあるべきか

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商品説明
2018年度から開始された「特別の教科 道徳」は、定着の色を見せてきた。しかし、このことは必ずしも「道徳教育学」の確立を意味するものではない。そこで本書では、第一巻に続き、より深く道徳科の理論的基盤の構築に取り組み、より多彩なアプローチから道徳教育学を捉える。また、新たな試みとして、次期学習指導要領に向け、これまでの我が国の道徳教育のあり方を検証し、現行の学習指導要領について課題を見出していく。
目次
はじめに

序 章 道徳教育学の構築に向けて(走井洋一)
 1 道徳教育研究の多様さと偏り――論文タイトルの分析から
 2 他の教科教育研究における学形成に向けての模索とその課題
 3 道徳科・道徳教育の特殊性とそれに起因する学形成の困難さ
 4 道徳教育学の対象と方法


 第Ⅰ部 歴史的視座

第1章 明治中後半期における「道徳」の模索(水野雄司)
 1 本章の目的
 2 明治20年代――始まりとしての道徳
 3 明治30年代――戦争と国民的・国家的道徳
 4 明治40年代――到達点としての国民道徳

第2章 昭和戦前期の修身教授改革論の展開――第四期国定修身教科書と「日本精神」をめぐって(貝塚茂樹)
 1 道徳教育史における昭和戦前期
 2 第四期国定修身教科書と修身科
 3 修身教授改革論の展開
 4 「日本精神」「日本主義」と修身教育

第3章 修身科の評価の史的展開に関する素描――国民科修身の成績考査の諸相(江島顕一)
 1 修身科の評価
 2 修身科の評価の変遷
 3 国民学校における成績考査
 4 修身科の成績考査の研究――今後の課題

第4章 森戸辰男と道徳教育――占領解除後を中心に(緒賀正浩)
 1 森戸と道徳教育の関わり
 2 森戸の教育再改革論における道徳教育の位置づけ
 3 「期待される人間像」答申審議における森戸
 4 「第三の教育改革」における森戸の道徳教育論――まとめにかえて

第5章 下程勇吉における「まことの倫理」と道徳教育(桑嶋晋平)
 1 近現代日本における「まことの倫理」と道徳教育の諸問題
 2 戦後初期から1958年代前後までの下程の道徳教育論の展開
 3 道徳教育論における「まこと」
 4 下程の「まことの倫理」の今日的意義


 第Ⅱ部 理論的視座

第6章 カント主義的構成主義による内容項目の正当化(高宮正貴)
 1 道徳的諸価値の正当化の必要性
 2 カント倫理学における道徳の区分と内容
 3 オニールのカント主義的構成主義による徳の正当化
 4 権利基底的正義論の限界
 5 オニールによる徳の分類と我が国の内容項目の分類
 6 正義と徳の教育に向けて――今後の課題

第7章 共和主義,パトリオティズム,ナショナリズム――「市民」には,なぜ,どのような,「愛国心」が必要なのか(古川雄嗣・南勇佑吾)
 1 なぜ「愛国心」と「ナショナリズム」を論じるのか
 2 ナショナリズムとは何か
 3 ナショナリズムなき愛国心?
 4 多文化時代の愛国心教育
 5 脱構築から再構築へ

第8章 道徳教育を基礎づける新たな社会像の構想(走井洋一)
 1 思考先行型行為モデルの源流とその帰結
 2 人間本性としての「自己利益」と「共感」を基盤とした社会
 3 人間の自然本性と社会の規模――社会拡大モデルと社会連繫モデル
 4 二つの社会モデルから見出される道徳教育の可能性

第9章 友情と道徳的発達――『ニコマコス倫理学』におけるアリストテレスの友愛論を手がかりとして(酒井健太朗)
 1 友情と道徳的発達
 2 アリストテレス倫理学における友愛
 3 対等でない者同士の友愛と道徳的発達
 4 対等な者同士の友愛と道徳的発達
 5 徳に基づく友愛はどのように生じるのか
 6 道徳的発達と友愛

第10章 「考える道徳」に向けた議論における授業論(指導方法論)に関する考察(馬場 勝)
 1 考察の観点と方法
 2 道徳の教科化前の授業論に係る議論
 3 道徳の教科化後の授業論に係る議論
 4 授業論に係る論議の連続性

第11章 「資質・能力」の方向性を導くための〈道徳性〉の再定義(荒木寿友)
 1 コンピテンシー育成の教育モデル
 2 資質・能力に規定される人間性の育成の問題
 3 道徳教育は何を目的とするのか
 4 資質・能力にどのように道徳性を位置づけるか


 第Ⅲ部 実践的視座

第12章 スポーツを題材とした道徳教育の実践開発に向けて(藤井基貴)
 1 道徳教育におけるスポーツ/スポーツにおける道徳教育
 2 スポーツの起源と価値
 3 道徳教育におけるスポーツ
 4 スポーツにおける道徳/倫理教育の現状と課題
 5 スポーツ・インテグリティ教育と道徳教育の架橋
 6 スポーツを題材とした道徳教育の可能性と課題

第13章 郷土を愛する心を育成する道徳教育――学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを通して(木下美紀)
 1 問題の所在
 2 郷土教育をめぐる諸理論と課題
 3 「郷土を愛する心」と教育課程
 4 学校の特色とカリキュラム・マネジメント
 5 具体的な実践事例――「地域・社会貢献」をテーマとしたカリキュラム・マネジメント
 6 郷土愛を育成するカリキュラムの可能性と課題

第14章 道徳的諸価値の連関と内容項目の再編(木原一彰)
 1 道徳科の授業と内容項目の位置づけ
 2 道徳的諸価値の連関とカリキュラム・マネジメント
 3 内容項目の整理・統合と,中核的内容項目の設定
 4 道徳科における中核的価値の意義と内容項目再編の課題


 第Ⅳ部 新しい学習指導要領に向けて

概 説(貝塚茂樹)

第15章 目  標(荒木寿友)
 1 徳教育,道徳の時間(道徳科)の目標の変遷
 2 道徳教育,道徳科の目標の課題

第16章 内  容 (西野真由美)
 1 学習指導要領における内容とその示し方
 2 「内容」の実施状況
 3 内容構成とその取扱いをめぐる課題
 4 展 望

第17章 指 導 法(足立佳菜)
 1 本章の立ち位置
 2 道徳指導法の変遷の概要
 3 各種課題・論点

第18章 評  価(関根明伸)
 1 「評価」概念に対する解釈と用法の混乱
 2 「道徳教育専門部会」と「道徳教育に係る評価の在り方に関する専門家会議」の「評価」
 3 妥当性と信頼性のある「評価」へ


資 料  押谷由夫先生インタビュー――1989(平成元)年版学習指導要領改訂をめぐって(聞き手 西野真由美)

おわりに
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