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よくわかる歴史社会学

よくわかる歴史社会学

佐藤 健二 (編集)
野上 元 (編集)
祐成 保志 (編集)
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商品説明
社会学でなぜ歴史研究が必要とされるのか。社会学にとっての歴史とはどのような意味と方法意識のことで、資料と向きあう技法や想像力はどのようなものか。本書は、歴史社会学の入門書として、執筆者みずからの研究も参照しつつ着想の経緯から資料調査を経て仕上げに到達するまでをわかりやすく教えることをめざす。
目次
はじめに

Ⅰ 歴史社会学への招待
 1 メディアの重層を読む:怪物のうわさ
 2 音楽文化の歴史社会学:ジャンルが背負う歴史性
 3 戦争の歴史/社会学:「社会学の出番」なのか?
 4 「心の病」の歴史社会学:メンタルヘルス文化の過去と現在
 5 セクシュアリティ:エロに歴史あり
 6 家と家族:近現代におけるその変容
 7 住宅問題の構築史:住まいをめぐる反復と反転
 8 つながり社会と無縁社会:「無縁」のもつ新しいつながりの可能性
 9 祭り: 世代を超えた継承をもたらす歴史の作用
 10 社会学史:歴史社会学としての社会学史

Ⅱ 歴史社会学入門
 1 社会科学のなかの社会学:「意味」を問い,「理解」をめざす学問
 2 社会学における歴史分析の意義:史料にふれて社会を知る
 3 歴史社会学における異文化理解:「作品」がつなぐ過去と現在
 4 歴史社会学の居場所:歴史社会学に/だけにできること
 5 資料の生態:社会学的な歴史資料論/資料のメディア論
 6 資料の宇宙:図書館・文書館というフィールド

Ⅲ 歴史社会学的想像力の諸相
 1 ファミリーヒストリー:自分のなかに歴史をよむ
 2 裁判記録:討論形式で見出される多元的な「過去」
 3 消費者/〈消費者〉:消費を問題化する社会記述そのものの歴史性
 4 女性専門職:近代「女医」の歴史社会学
 5 自殺:「意志的な死」の成立
 6 被害者:「同情を寄せるべき他者」に関する規範の変容
 7 摂食障害:逸脱的な食行動はなぜ問題化されたか
 8 趣味:概念史からことばの意味を解きほぐす
 9 日常生活の観察:対象としての大衆/主体としての大衆
 10 持ち家と賃貸:レジームが生み出す傾斜
 11 山車:歴史を具象化したコモンズとその作用
 12 民謡:資本主義と複製技術が再編したオーラルな文化
 13 「時代」:社会学の強みを活かすために
 14 馬券:モノ/メディアの「てざわり」
 15 クィア・ヒストリー:非規範的な性の歴史をたどる
 16 消臭:ケアワークの領域の拡大
 17 「○○力」ということば:実在から動態へ
 18 科学技術:「科学の体制化」と科学技術立国批判
 19 養育:子の養育とその担い手の歴史性
 20 食:日常的な営みの共同性とその歴史性
 21 論文:知識の制度
 22 宗教組織:信仰運動と組織改革運動のダイナミズム
 23 エアコン:日常を覆う密閉空間の人工空気
 24 ミュージアム:近代が生んだパブリックな歴史の場

Ⅳ さまざまな歴史資料・データ
 1 新聞・雑誌:出来事の「語られ方」をとらえる
 2 言論・言説:思考や認識をめぐる歴史資料
 3 芸術文化の資料とは:音楽の創作,演奏,流通
 4 映像・映画:歴史/社会を映す鏡
 5 広告・CM:時代の価値観を映し出すテクスト
 6 インタビュー調査:声の背景を聞く・声なき声を聞く
 7 組織文書:組織の自意識と社会認識
 8 地図:空間を重視する歴史社会学
 9 全集・著作集:個人アーカイブのテクスト空間
 10 デジタルデータベース:デジタル空間で歴史を編む
 11 社会調査アーカイブ:歴史資料としての調査データ
 12 マイクロデータの二次分析:計量歴史社会学

Ⅴ 歴史社会学の世界
 1 現在の歴史的探究:マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の『精神』」
 2 比較社会学のファウンダー:エミール・デュルケム『自殺論』
 3 礼儀作法が作り出す支配の構造:ノルベルト・エリアス『文明化の過程』『宮廷社会』
 4 不定形な対象をどうとらえるか:ルース・S. コーワン『お母さんは忙しくなるばかり』
 5 空気の管理による社会的区分:アラン・コルバン『においの歴史』
 6 病気のイメージの歴史:スーザン・ソンタグ『隠喩としての病い』/サンダー・L. ギルマン『病気と表象』
 7 家と同族団を軸に伝統都市の200年を描く:中野卓『商家同族団の研究[第二版]』(上・下)
 8 組織としての家と宗教:森岡清美『真宗教団と「家」制度[新版]』『真宗教団における「家」の構造[増補版]』
 9 「生と社会」の厚い記述:内田隆三『国土論』
 10 個の人生にあらわれる構造の呪縛:見田宗介『まなざしの地獄』

Ⅵ 収集・分析をはじめる前に
 1 「問う」ことからはじまる:素材の発掘と問題の構築と
 2 資料の社会的存在形態の解読:「データの質」の問題
 3 資料分析の方法論:代数学/幾何学/博物学の想像力
 4 リストの力:全体を観察する作法
 5 固有名詞の力をコントロールする:構造変動としての歴史
 6 個人をどうとらえるか:「フィールドとしての個人」と「n次資料」
 7 歴史社会学とはなにか:歴史性の厚みにおける再帰性

さくいん
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