こころの行動と社会・応用心理学

現代の心理学はその研究領域もきわめて広く，人間行動のあるところには，すべて心理学の研究分野であるというほど，私たちの生活に密着した学問になっている。そして，心理学の研究は，社会の具体的な問題解決に大きな役割を担っている。
心理学はハイブリッドな学問といわれ，隣接する領域から多くの知見・情報を利用・活用し「こころ」について研究し，そこで得られた知見を隣接する領域に還元するようにしている。
本書は“こころの行動”の疑問「なぜ」「どうして」に対して16の領域を章とし，主課題（節）を見開きページで解説している。従来の心理学のテキストのように，基礎分野から応用分野へとあえて構成していない。読者が興味をもった章から始められるように，基礎分野と応用分野を混在させている。最終的に，すべての章を読み終わる頃には，心理学の疑問を解き明かすきっかけが得られていることであろう。大学や専門学校で心理学を学ぶ学生のための，新しい構成スタイルによる心理学のテキストである。