障害のある子ども、不登校の子ども、家庭の事情等で十分な養育を受けることが困難な子ども等も含めて特別な支援を必要とする子どもの成長・発達そして自立に向けて、教育と福祉の分野からの支援は欠かせず、いわば車の両輪であるといえる。またその保護者にとっても、教育と福祉の分野から必要な支援を得られることにより、安心して日々の子育てに臨むことができると考えられる。
しかしながら、教育と福祉は隣接しており、しかも相互に往還するべき分野であるにもかかわらず、両者の間には隔たりがあるのが現状ではないか。教育の分野に携わる人の中には、福祉の制度等に十分な理解がなされていない人もいると思われる。一方で、福祉の分野に携わる人の中にも、教育における費用対効果に疑問をもっている人もいるのではないか。この両者の溝を埋め、相互に理解を深めていくことが、今解決するべき課題であるといえるだろう。そして、両者が連携することによって、保護者にとっても子どもの先行きに見通しをもてるようになると考えられる。
本書は、Ⅰで、「特別な支援を必要とする子どもをもつ保護者の思い・とまどい・願い」について紹介する。それを受けて、Ⅱでは、「各ライフステージにおいて特別な支援を必要とする子ども(人)が受けられる支援・サービス」について事例を交えながら情報提供を行う。そして、Ⅲでは、「家庭と教育と福祉の連携」というコンセプトで座談会をもち、それぞれの立場から率直な意見交換を行った。