まえがき 小山 虎
一.「一元論」とは何か?
二.本書のあらまし
第Ⅰ部 ドイツ語圏における一元論──一元論とスピノザ哲学
第Ⅱ部 英語圏における一元論──一元論的観念論から多様な実在論へ
第Ⅲ部 現代における一元論──J・シャファーの優先性一元論をめぐって
第Ⅳ部 翻訳編
三.本書の狙い
第Ⅰ部 ドイツ語圏における一元論
──一元論とスピノザ哲学
第一章 一九世紀のドイツ語圏における「一元論」の概念史 太田匡洋
はじめに
一.黎明期──「心身二元論」における「一元論」と「二元論」
一.一.クリスチャン・ヴォルフによる導入と用例
一.二.ヴォルフ以降──ツェードラーの事典におけるヴォルフの定義の反復
二.ドイツ観念論の「一元論」への取り込み──テンネマンの哲学史記述
三.ゲッシェルの「思想の一元論」とその受容
三.一.「一元論」の主題化
三.二.一元論の意味の拡張──スピノザ・汎神論へのトピックの拡張
四.「一元論」と「多元論」の対置
四.一.ヘルバルトを媒介とした「一元論」と「多元論」の同列化
四.二.「一元論」と「多元論」の対立図式の受容
五.
ルドルフ・ヘルマン・ロッツェとエドゥワルト・フォン・ハルトマンにおける「一元論」と「多元論」
五.一.ルドルフ・ヘルマン・ロッツェ
五.二.エドゥワルト・フォン・ハルトマン
六.「具体的一元論」の成立──汎神論からの差別化の試み
六.一.シェーナッハによる「具体的一元論」の主題化
六.二.エドゥワルト・フォン・ハルトマンによる「具体的一元論」の展開
七.一九世紀末における「一元論」の主流化
七.一.「一元論」・科学・プラトニズムの結合
七.二.ヘッケルによる一元論
おわりに
第二章 初期近代ドイツ哲学における一元論の諸相 津田栞里
──バウムガルテンにおける心身二元論とスピノザ論の交叉という視点から
はじめに
一.一元論と心身二元論
一.一.ヴォルフによる一元論の導入
一.二.バウムガルテンによる平板化と一元論の消失
二.一八世紀ドイツにおける一元論とスピノザ(主義)
二.一.心身二元論から汎神論へ
二.二.ヴォルフの「スピノザ論」にみる一元論
三.バウムガルテンのスピノザ(主義)批判にみる一元論
三.一.ヴォルフの一元論やランゲのスピノザ主義批判との関係
三.二.もう一つの一元論の可能性
おわりに
第三章 ヘーゲルのスピノザ「反駁」 真田美沙
──体系に対する反駁の可否と真理をめぐって
はじめに
一.本質論「絶対者の様相」註解におけるスピノザ
二.概念論「概念一般について」におけるスピノザ反駁としての概念への推移
三.ヘーゲルとヤコービ──ザントカウレンによる解釈
四.反駁とは何か、そして真理とは何か──ヌッツォによる解釈
五.ヘーゲルの思弁的真理
おわりに
第四章 ライプニッツ哲学における一元論・多元論の可能性 三浦隼暉
はじめに
一.後期ライプニッツ哲学における一元論の位置
一.一.ライプニッツと一元論
一.二.観念論的一元論としてのモナドロジー
一.三.唯一の世界を映し出すモナド
二.『哲学者の告白』にみる多元論的モナドロジーの萌芽
二.一.スピノザの必然主義という「崖っぷち」
二.二.『哲学者の告白』という著作について
二.三.同一視された神と調和
二.四.自体的に可能的なものの領域の追記
おわりに
第Ⅱ部 英語圏における一元論
──一元論的観念論から多様な実在論へ
第五章 一九世紀の英語圏における「一元論」の概念史 太田匡洋
はじめに
一.一九世紀前半~中旬におけるドイツ語圏から英語圏への諸概念の流入
一.一.テンネマンの英訳の出版
一.二.ネアンダーの英訳の出版
一.三.シャリボイスの英訳の出版
一.四.ヘッケルの英訳の出版
二.イギリスにおける「一元論」概念の使用
二.一.「一元論」概念の伝統的用法の定着──ハミルトンによる用法
二.二.同時代に対する「一元論」概念の適用──レフチャイルドによる批判的言及
二.三.イギリスにおける心身問題の再燃と一元論
三.アメリカにおける「一元論」概念の主題化──神学における批判からカールスによる主題化へ
三.一.神学における「一元論」概念の使用
三.二.「一元論」と「汎神論」の結びつき
三.三.神学における「一元論」に対する批判的主題化
三.四.カールスにおける「一元論」──「具体的一元論」の主題化
四.イギリスにおける「一元論」と「多元論」の対置
四.一.ロッツェ・ハルトマンらの著作の受容と出版
四.二.英語圏における「一元論」と「多元論」の対立関係の成立
五.「一元論=ヘーゲル学派=スピノザ」、という図式の成立──ブラッドリーとジョアキム
五.一.ブラッドリーの「一元論」化
五.二.ハロルド・ジョアキムによるスピノザ研究と「一元論」の主題化
五.三.今日におけるブラッドリー理解
おわりに
第六章 普遍者の実在性をめぐって 伊藤 遼
──ブラッドリーの一元論的観念論とムーア・ラッセルの多元論的実在論
はじめに
一.ブラッドリーの「観念」
二.ムーアの「概念」
三.ラッセルの「項」
四.ブラッドリーからの応答の可能性
おわりに
第七章 ウィリアム・ジェイムズの多元論とその二つの源泉 山根秀介
はじめに
一.「非連続性の理論」について
一.一.世界を構成する非連続的な単位
一.二.「非連続性の理論」における二つの「連続性」
一.三.「見かけの現在」
一.四.ルヌヴィエの「非連続性」
二.「関係」概念について
二.一.ブラッドリーにおける「内的関係」と「外的関係」
二.二.ブラッドリーに対するジェイムズの批判
三.「外的関係」と多元的存在論
三.一.グラデーションとしての諸関係の差異
三.二.多なるものの世界
おわりに
第八章 時空、決定、創発 141 米田 翼
──アレクサンダーの時空の形而上学とベルクソンの予見不可能な新規性の創造
はじめに
一.アレクサンダーの時空論
一.一.いかなる意味で時空は実在なのか
一.二.どのようなタイプの一元論なのか──時空(全体)と点─瞬間(部分)の関係をめぐって
一.三.点─瞬間が事物・出来事を構成するとはどういうことか──同一性としての合成
二.アレクサンダーのカテゴリー論
二.一.普及的特徴とその源泉
二.二.時空の基礎的決定──存在と関係のカテゴリーを例に
二.三.諸カテゴリーの交流──Motionとmotionの定義
三.アレクサンダーの創発論
三.一.階層、決定、創発
三.二.予見不可能性な神性の創発──ラプラス批判とベルクソンへの言及
四.ベルクソンからの三つの影響──持続、無の観念の批判、予見不可能性
四.一.ベルクソンからの影響(1)──経験的存在の素材としての持続
四.二.ベルクソンからの影響(2)──いかなる意味においても宇宙の外部は存在しない
四.三.ベルクソンからの影響(3)──予見不可能性と未完了の時間
おわりに (156)
第Ⅲ部 現代における一元論
──J・シャファーの優先性一元論をめぐって
第九章 一元論はどのようにして現代に蘇ったのか 小山 虎
──分析形而上学的観点から
はじめに
一.クワイン的メタ存在論
二.メレオロジー
三.メレオロジーから一元論へ
おわりに
第一〇章 一元論に関する現代の議論 雪本泰司
──J・シャファーによる擁護
はじめに
一.存在一元論と優先性一元論
一.一.優先性一元論に関する議論の枠組み
一.二.優先性一元論の擁護
二.内的関係からの論証
二.一.誤解二:強い「内的関係」は不要
二.二.誤解三:外的関係の存在は反例にならない
二.三.内的関係から一元論へ
おわりに
第一一章 一元論的観念論者としてのスピノザ像を遡及する 192 立花達也
──忘れ去られた研究者を介して
一.シャファー──優先性一元論者スピノザ (193)
二.ラッセル──批判すべき一元論者スピノザ
三.ジョアキム──一元論的観念論者スピノザ
三.一.『スピノザ『エチカ』の研究』におけるスピノザ
三.二.『真理の本性』におけるスピノザ
おわりに
第一二章 時空の哲学における一元論 大畑浩志
はじめに
一.超実体説とは何か
一.一.超実体説の利点
一.二.同一説 vs. 構成説
一.三.穏健な超実体説 vs. 過激な超実体説
二.超実体説は一元論を導くか
二.一.時空全体 vs. 時空の部分
二.二.新しい多元論的超実体説
二.三.多元論的超実体説の検討
おわりに
第Ⅳ部 翻 訳 編
第一三章 一 元 論 ジョナサン・シャファー(小山 虎・立花達也・雪本泰司訳)
──全体の優先性
一.基礎的メレオロジーの問い
一.一.全体と部分──メレオロジー的構造
一.二.優先するものと優先されるもの──形而上学的構造
一.三.基礎的メレオロジー──タイル貼り制約
一.四.一元論と多元論
二.一元論──全体の優先性
二.一.常識──恣意的な抽象物としての部分
二.二.量子もつれと創発──スーパーヴィーニエンスの非対称性
二.三.不均質性──多者を配置する
二.四.原子なきガンク──存在の非対称性
付録:歴史的な事柄
第一四章 スピノザの一元論? どんな一元論?
モーエンス・レルケ(立花達也訳)
一.一つかつ唯一なるものとしての神
二.想像的な一性と知性的な一性
三.絶対的な一性と相対的な一性
おわりに