ヘルベルト・マルクーゼ

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商品説明
忘れられた思想家の可能性――

マルクス、フロイト、そしてハイデガーの影響を受け、フランクフルト学派第一世代の社会哲学者として活躍したマルクーゼ。
なぜ今、彼を読み直すのか。
管理社会に「偉大な拒絶」を突きつけた学生運動の理論的源泉のひとりでもあった、その知られざる多彩な思考の遍歴を労働論とテクノロジー論から辿り直し、現代における社会批判の可能性を提示する。


「ヘルベルト・マルクーゼとは誰か。「一九六八年」に対する様々な反応からいったん距離を置きつつ、マルクーゼ思想の可能性の中心をいかに見定めることができるのか。そもそもマルクーゼが何に関心を持ち、一九六〇年代に脚光を浴びるまでに何を考えてきたのか。[…]この作業を通して私たちは、「生産性」の向上と追求を前提とする現代社会に行き渡る既存の価値観を内破していくための「触媒」として、マルクーゼ思想を改めて発見することができるだろう。」(「はしがき」より)

 

●著者紹介
馬渡玲欧(まわたり れお)

1989年広島県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(社会学)。日本学術振興会特別研究員PDを経て、現在、名古屋市立大学大学院人間文化研究科専任講師。

主要業績
『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』 (分担執筆、永田大輔・松永伸太朗・中村香住編、ナカニシヤ出版、2023年)、『惑星都市理論』 (分担執筆、平田周・仙波希望編、以文社、2021年)、「オートメーション・ユートピアの可能性と限界――H・マルクーゼのオートメーション言説をめぐって」(『社会学史研究』42号、2020年)。
目次
はしがき

序章 「労働と遊びの一致」から照らし出す「オートメーション・ユートピア」
 第一節 問題の所在
 第二節 マルクーゼ研究の動向
 第三節 本書の構成

第一章 マルクーゼ評伝
 第一節 幼少期~青年期──第一次世界大戦とドイツ革命の影響
 第二節 ハイデガー時代~フランクフルト社会研究所への参加
 第三節 フランクフルト社会研究所からの離脱とアメリカ政府への戦時協力
 第四節 戦後アメリカにおける学術活動
 第五節 学生運動期の旺盛な講演活動
 第六節 晩年の思想

第二章 生命活動としての労働──一九三〇年代初頭の労働論・一
 第一節 本章の課題
 第二節 歴史性と奉仕労働──ハイデガー
 第三節 「生命活動としての労働」論
 第四節 小  括

第三章 「労働と遊び」論のはじまり──一九三〇年代初頭の労働論・二
 第一節 本章の課題
 第二節 マルクス『経済学・哲学草稿』をめぐって
 第三節 「経済学的労働概念の哲学的基礎」における「遊び」概念
 第四節 小  括

第四章 フランクフルト学派第一世代の問題関心 ──一九三〇年代の「労働と文化」をめぐって
 第一節 本章の課題
 第二節 プロレタリアートと全体性に対する逡巡/文化制度による社会統合──ホルクハイマー
 第三節 「文化産業」における労働批判の可能性──アドルノ
 第四節 ワイマール労働者調査における労働者文化の実態──フロム
 第五節 小  括

第五章 「文化」の生産力化──一九三〇年代後半の労働国家批判
 第一節 本章の課題
 第二節 文化によって人格が労働に服従する機制
 第三節 ユンガーの労働国家論
 第四節 快楽・幸福・空想──新しい文化の可能性
 第五節 小  括

第六章 テクノロジー化する労働──一九四〇年代初頭の技術論
 第一節 本章の課題
 第二節 生産テクノロジーとテクノクラシー体制
 第三節 個人主義的理性から技術的合理性への変化
 第四節 旧い即事実性から新しい即事実性への変化
 第五節 製作本能と科学的管理法
 第六節 ナチス・ドイツのテクノクラシー体制──合理性と非合理性
 第七節 テクノロジーに内在する解放の可能性
 第八節 小  括

第七章 ナチス・ドイツにおける労働者の統制──一九四〇年代中盤のドイツ・テクノクラシー体制批判
 第一節 本章の課題
 第二節 フランクフルト学派と第二次世界大戦──戦争協力という側面
 第三節 国民社会主義の政治構造の特徴
 第四節 国民社会主義の経済構造の特徴
 第五節 国民社会主義における労働者の統制
 第六節 小  括

第八章 生産性批判の展開と「触媒」としてのオートメーション・テクノロジー──一九五〇年代以降のオートメーション論
 第一節 本章の課題
 第二節 オートメーション・ユートピアへの批判と擁護
 第三節 「自由の領域と必然の領域」をめぐって
 第四節 『エロスと文明』におけるオートメーション
 第五節 『ソビエト・マルクス主義』におけるオートメーション
 第六節 『一次元的人間』におけるオートメーション
 第七節 小  括

終章 今後の課題と展望

あとがき
引用・参考文献
人名索引
事項索引
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