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商品説明
「起きた事柄」を他者にどう伝えるか
異分野間の比較をこの一冊で
     ──白眉研究者 前野ウルド浩太郎


「事実」はそれぞれの研究分野と文脈でどのように作られていくのか──


歴史学における「事実」の構築、聖遺物への科学検証、動物のこころの「事実」性の議論、歴史学と生物学の推論方法、地球外物質の観察から生まれる客観性、人工知能(AI)による「事実」の生成とその権力性……

歴史学、動物行動学、生物進化学(統計学)、惑星物質科学、情報科学(人工知能)などさまざまな分野の気鋭の研究者たちが、それぞれの文脈と事例での科学的「事実」のとらえ方・作られ方を解説・考察。
各章末には議論の痕跡である他の著者からの応答も掲載した、対話的論集。



●編著者紹介

小俣ラポー日登美(おまた らぽー・ひとみ)
担当:まえがき、序章、一章翻訳、二章、終章、あとがきという名の謝辞、Commentary 1, 6
京都大学白眉センター/人文科学研究所(白眉特定准教授・12期)
専門は歴史学、特に宗教史、東西比較文化史。二〇二四年度日本学士院学術奨励賞受賞者。


●執筆者紹介(執筆順)

ジャン=フレデリック・ショーブ
(Jean-Frédéric Schaub)
担当:一章
社会科学高等研究院(EHESS)、アメリカ研究所(UMR 8168) 教授。
専門は歴史学、特に近世史、イベリア半島帝国史。


佐藤 駿(さとう・しゅん)
担当:三章、Commentary 2
京都大学白眉センター/理学研究科(白眉特定助教・13期)
専門は魚類を対象とした行動生態学、比較認知科学、動物行動学。二〇二一年度日本魚類学会研究奨励賞受賞者。


三中信宏(みなか・のぶひろ)
担当:四章、Commentary 3
人間環境大学総合環境学部フィールド自然学科教授/学科長
専門は生物進化学、生物統計学、生物学の哲学。


松本 徹(まつもと・とおる)
担当:五章、Commentary 4
京都大学白眉センター/理学研究科地球惑星科学専攻(白眉特定助教・12期)
専門は隕石や小惑星からの帰還試料などの分析を行う地球外物質学、惑星物質科学。二〇二二年度日本鉱物科学会研究奨励賞受賞者。


包 含(つつみ・ふくむ)
担当:六章、Commentary 5
京都大学白眉センター/情報学研究科(白眉特定助教・12期)
専門は情報科学、特に機械学習、数理統計、最適化。船井情報科学振興財団第二二回船井研究奨励賞受賞者。
目次
まえがき──それはどこの交差点だったのか?(小俣ラポー日登美)


序 章 すれちがうたくさんの「事実」(小俣ラポー日登美)
 一 ポスト真実──「事実」をめぐる危機
 二 ノーベル財団と科学の「真実」 
 三 「原住民の科学」の問題
 四 相対主義の足跡
 五 ソーカル事件、もしくは「サイエンス・ウォーズ」
 六 「事実」をめぐる対話の齟齬としてのソーカル事件
 七 「事実」の複数の位相──ラトゥールの反省
 八 「オッカムの剃刀」にあらがう
 九 二重盲検と相対主義──「自分を疑う」という誠実さのために
 一〇 「事実」をどう表し、伝えるのか?──言葉と数のはざまで紡がれるしりとり
 一一 本書の各章の構成と内容
 一二 比較できないものを比較する──Commentaryに反映された対話の軌跡

第一章 どのように「事実」を構築するのか?──歴史家の仕事(ジャン=フレデリック・ショーブ/小俣ラポー日登美(訳))
 一 はじめに──歴史と過去
 二 歴史学は西洋化の道具なのか
 三 地球規模での曖昧さの解消
 四 すべての社会的集団の歴史は可能か?
 五 残存する痕跡、多言語的視点、実証された方法論
 六 いかなる社会の歴史であっても誰もが記述しうるのか?
 七 結  論

Commentary 1 歴史学者より(小俣ラポー日登美)


第二章 奇跡と科学的「事実」の攻防戦──トリノ聖骸布をめぐる実験の解体 (小俣ラポー日登美)
 一 「史的事実」を求めるための実験
 二 聖遺物とは──過去の遺物をめぐる真偽の攻防史
 三 見えないものが、見える。見えるけれど、見せない。見えないから、見たい。
 四 聖骸布の「事実」を実験する科学研究の類型とその発展小史
 五 奇跡・科学・教会──事実をめぐる三つ巴
 六 科学研究の背景とその行先
 七 「あなたはこの問題に答えられますか?」──結語にかえて

Commentary 2 動物行動学者より(佐藤 駿)


第三章 生き物の「こころ」は科学的「事実」になりうるか──動物行動学における科学論争の解剖(佐藤 駿)
 一 動物心理学と行動生態学の「こころ」の科学史
 二 現代行動科学における動物の「こころ」 
 三 動物の「こころ」を科学はどのように扱うべきなのか

Commentary 3 生物進化学者より(三中信宏)


第四章 歴史と科学をつなぐ道──アブダクションの観点から(三中信宏)
 一 はじめに──事実と虚構のはざまで
 二 既知から未知への跳躍──アブダクションの視点
 三 部分から全体へ、痕跡から物語へ
 四 ダイアグラムによる可視化──ヴィジュアル・リテラシーを身に付ける
 五 おわりに──アウェイな科学を訪ね歩く旅路とは

Commentary 4 惑星物質科学者より(松本 徹)


第五章 可視化から始まる「事実」──地球外物質のミクロな世界への冒険(松本 徹)
 一 実験室の片隅から──研究の入り口としての「見る」行為
 二 人間と宇宙物質との関わり
 三 リュウグウの砂の姿を言語化する
 四 数値化される鉱物たち
 五 地球外鉱物の成り立ちを理解する
 六 宇宙探査の行く末と鉱物学

Commentary 5 情報科学者より(包 含)


第六章 人工知能が紡ぎ出す「事実」の 権力性(包 含)
 一 「事実」を産出する機械
 二 「事実」と価値観の対立
 三 「事実」の権力性の彼方に

Commentary 6 歴史学者より(小俣ラポー日登美)


終 章 めぐりあうたくさんの「事実」(小俣ラポー日登美)
 一 つながる「事実」
 二 日本における文理の溝の成立小史
 三 「二つの文化」の成立
 四 社会からの要請としての有用性と学問の分断
 五 科学的真実と道徳的真実──社会生物学論争再考
 六 「役に立たない」研究が存在意義を追求するとき──「原住民の科学」の問題ふたたび
 七 事実の統合・比較・連関──最後に相対化されるのは何か


あとがきという名の謝辞(小俣ラポー日登美)
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