現代社会を覆う「優生思想的」「反出生主義的」思潮の正体
現代が「優生思想的」「反出生主義的」思潮に支配されつつあるのはなぜか? そこから抜け出すことは可能なのか? ハイデガー、ニーチェ、宮沢賢治を導きに、真の〈生の肯定〉への道を示す。懸命に今を生きる人への哲学者からのエール。
「「思想」というものは、何らかの社会的な「土壌」に養われて、はじめて存在できる。私たち現代人はふだんの何気ない生活において、優生思想や反出生主義を根付かせ、はびこらせるような土壌の上をすでに生きてしまっており、しかもそれを耕すことにすでに加担してしまっている。優生思想や反出生主義は、特殊な人たちがかぶれる抽象的な思想ではなく、こうした目立たぬ土壌に養われてはじめて存在し活性化しうるものだ(水を得た魚のように)。」【本文からの引用】
●著者紹介
後藤雄太(ごとう・ゆうた)
1972年 岐阜県生まれ。
1995年 広島大学文学部哲学科インド哲学専攻卒業。
1999年 広島大学大学院文学研究科博士課程後期倫理学専攻修了。博士(文学)(広島大学)
現在 広島大学准教授。哲学・倫理学専攻。
著書 『存在肯定の倫理Ⅱ 生ける現実への還帰』(2021年),『存在肯定の倫理Ⅰ ニヒリズムからの問い』(2017年),『倫理学から教育と平和を考える』〔共著〕(2025 年),『人間論の21世紀的課題6 教育と倫理』〔共著〕(2008年),『情報倫理学入門』〔共著〕(2004年,以上,ナカニシヤ出版),「ニーチェにおける優生思想と〈生の肯定〉の思想」(『ぷらくしす』第22号,2021年),他。