多種多様な人々が集い、音楽やダンスを楽しむ空間である「クラブ」。クラブからは様々な音楽やファッション、アートが発信されて、独特の文化を築いている。特に音楽シーンでは、DJのフェスへの出演、アニメソングやポピュラー音楽への影響など、クラブカルチャーが日常に浸透していることが見て取れる。
クラブカルチャーは日本でどのように変容してきたのか。クラブの誕生やイギリス・アメリカなどの海外の動向を押さえたうえで、日本で爆発的に流行した1970年代から80年代のディスコブーム、90年からの風営法による取り締まり、近年の新型コロナウイルス感染症による規制などのクラブと社会の交差をたどり、「グレー」から「健全」に変容してきたクラブカルチャーの内実を明らかにする。
自身もDJとして活動し、長年フィールドワークを続ける著者が、社会学やカルチュラル・スタディーズ、空間論の視点を手際よく整理し、事例を紹介しながら、「拡散し交差する嗜好の文化」としてのクラブカルチャーが生き残る方向を指し示す。
【目次】
はじめに
第1章 クラブカルチャーを考えるために
1 サブカルチャー研究の先駆
2 カルチュラル・スタディーズ
第2章 「クラブ」という言葉
1 「クラブ」の原義
2 空間と場所
3 都市の第三空間
第3章 日本社会とダンス空間
1 逸脱のダンス空間
2 差異化とダンス空間
第4章 能動的オーディエンスとクラブカルチャー
1 音楽メディアの発展とオーディエンス
2 DJとディスク文化
3 レイヴ
4 能動的な空間利用としてのクラブカルチャー
第5章 風営法と日本のクラブカルチャー
1 クラブ摘発
2 風営法とクラブ
3 コンプライアンス化とコモンズ
第6章 コロナ禍とクラブカルチャー
1 ナイトタイムエコノミー
2 コロナ禍とライブエンターテインメント
3 コロナ禍での対応
4 ポストコロナ
おわりに