まえがき
1 映画とジェンダー
『海から来た娘たち』――娘たちが語るとき、新しい黒人女性像へ
もし僕の指を……――ゴダールとフェミニズム
映画とジェンダー/セクシュアリティ
足立正生の映画とフェミニズム
既成イメージを打ち破るフェミニスト・ヒロイン
可視と不可視の間に――あるささやかな考察
反復・分身・夢――ファスビンダーの『ベルリン・アレクサンダー広場』
セクシュアリティと情念――ジャック・ドゥミ映画の「母親」
映像のフェミニズムについて私が知っている二、三の事柄
2 撮られる女/撮る女
ヒッチの陰に女性あり――ハリウッド幻想を逆手にとるヒッチコックの女性たち
フェミニスト映像作家・出光真子
フィルムメーカーとしてのオノ・ヨーコ
ドライヤーが描くもう一つの奇跡
女が書き、女が撮るとき――田中絹代と田中澄江
無愛想な監督と無愛想な女優
映画人・左幸子――女優として、監督として
アリス・ギイはなぜ映画史から忘れられたのか――『映画はアリスから始まった』
ジェンダー・トラブル・マリリン
アケルマン・マジック
カウンター・フェミニズムの攪乱――ウルリケ・オッティンガー
ニナ・メンケス――沈黙と抵抗の間
3 スクリーンとの対話
男性・女性、オトコとオンナの間――ゴダール『男性・女性』
男性か女性か、それが問題だ――ハワード・ホークスのジェンダー力学
小川プロ神話を解体する――『Devotion 小川紳介と生きた人々』
メロドラマ的身体と欲望の法則――『乳房よ永遠なれ』『乱れる』
フェミニスト・メロドラマとしての『ピアノ・レッスン』――音楽と触覚性による映像的官能性
無条件の自発性、あるいは最高の劇的な物語――ジャック・ロジエ
リヴェット効果、あるいは女性たちの連帯
初出一覧
あとがき