• 発売日:2024/09/30
  • 出版社:青弓社
  • ISBN:9784787292773

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傷痍軍人と文学の日本近代

傷痍軍人と文学の日本近代

通常価格 3,960 円(税込)
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  • 発売日:2024/09/30
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商品説明
日清・日露戦争からアジア太平洋戦争、戦後までを対象に、傷痍軍人を描く文学の歴史的な見取り図を提示する。山田美妙や江戸川乱歩、井伏鱒二たちの文学作品を読み、新聞や雑誌での議論も肉付けして、傷痍軍人表象の変遷から戦争と文学の緊張関係に迫る。
目次
はじめに

序 章 「傷痍軍人」とは誰か
 1 傷痍軍人に関する先行研究概観
 2 文学のなかの傷痍軍人表象
 3 傷痍軍人の傷と時間

第1部 忘れられた傷――「傷痍軍人」前史と文学

第1章 文学が描いた傷と戦争へのまなざし――日清戦争後の負傷兵言説と山田美妙「負傷兵」
 1 日清戦争の負傷兵
 2 文学のなかの負傷兵
 3 「負傷兵」が描いたもの
 4 「負傷兵」の位置づけ

第2章 「癈兵小説群」を立ち上げる――江口渙「中尉と癈兵」を中心に
 1 癈兵小説の特徴とその展開
 2 「中尉と癈兵」のなかの癈兵表象
 3 身体感覚と描かれる「揺らぎ」

第3章 「幻」が描く悲劇と抵抗――江戸川乱歩「芋虫」をめぐって
 1 過剰な「称揚」
 2 奪われた「声」
 3 芋虫の「幻」

第2部 集められる傷――戦時下の傷痍軍人表象

第4章 大衆作家たちの「潤色執筆」――『傷痍軍人成功美談集』の成立と「再起奉公」言説をめぐって
 1 成功美談とは何か
 2 「再起奉公」とその裏側
 3 『美談集』成立とその背景
 4 「潤色執筆」をめぐって

第5章 「傷」を描くということ――一九四〇年前後の軍人援護強化キャンペーンと傷痍軍人表象をめぐって
 1 「強化キャンペーン」と子どもたち
 2 童話による傷痍軍人との出会い
 3 『軍人援護文芸作品集』をめぐって
 4 英雄視を拒む語り

第3部 重なる傷――戦後の語りをめぐって

第6章 傷つけられる兵士たち――文学のなかの兵役忌避の物語から
 1 疾病作為という手段とその結末
 2 私的制裁と兵士たちの身体
 3 書く行為の明示と「集団」のなかの忌避者

第7章 戦争の経験を引きずる――井伏鱒二「遥拝隊長」と傷痍軍人表象からみる戦後  
 1 同時代の傷痍軍人イメージ
 2 「気違ひ」と〈未復員〉
 3 負傷する足と「びつこ」
 4 「びつこ」と引きずる足

第8章 「傷跡」と語りの変容――直井潔の作品とケアの様相をめぐって
 1 作家・直井潔
 2 依存とケアの文脈から
 3 多様なケアをめぐって
 4 戦争の傷跡を語り直す

終 章 「傷痍軍人」はどのように語られてきたのか

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