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知的所有権の人類学

知的所有権の人類学

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商品説明
【本書の概要】

知識は誰のものか?

豊富な薬草資源をもつインドに「知的所有権」という概念が持ち込まれたとき、現地で何が起こるのか。緻密なフィールドワークにもとづき解明。過去の労働への対価ではなく、未来への責任としての所有という概念を提示する、異色の所有論。

【推薦文】

本書は、人類学的な知見に溢れているばかりでなく、
伝統的知識のデータベース化によって
知識やその所有に対する人々の見方が双方向的に変化したことを指摘して、
一般的に知的「所有」権の形成に関する
法哲学的な示唆をも得ようとする野心作である。
田村善之氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授・知的財産法)

コモンズや法について考えるための新しい理論枠組が
フィールドワークに基づく魅力的な内実を伴いながら
鮮やかに提示されています。
この本が切り拓いた新しい地平を
ぜひ多くの方に知って欲しいです。
高村学人氏(立命館大学政策科学部教授・法社会学)

【序章より抜粋】

本書は、生物資源と知的所有権という特定の現代的事象をテーマとし、さらにはインドの新州ウッタラーカンドを生きる人々の具体的な経験と知的営みに導かれつつも、知識の「所有」という根源的な問いに挑んでみようという挑戦である。

(中略)

薬草や生物資源の領域に知的所有権という考え方が新たに持ち込まれたときに何が起こるのか、特定の科学プロジェクトを対象に、科学者や行政官、伝統治療師や農民にいたるまでさまざまな人たちの実践の細部を追っていく。知的所有権という概念が現地の科学、法、伝統医療と結びつくことによってどう変えられ、またそれらをどう変化させるのか。その過程で何が包摂され、また何が排除されていくのか。そのようにして知的所有権という現代的な制度がつくられる技術的細部を観察することによって見えてくるのは、やはり知識の「所有」についての今までとは異なるものの見方なのだ。
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