本書の第1章は、第266代ローマ教皇フランシスコの言葉、「私たちの故郷である地球は、ますます巨大なごみの山のような様相を呈し始めている」ではじまる。ここでの「ごみの山」とは、言うまでもなく地球環境が直面している危機的な状況の比喩だが、文字通りのごみ、すなわち大気と水を汚す自動車や工場の排気ガス・生活排水・産業廃棄物、機械・家電などの重工業製品から食品・繊維・プラスチックなどの軽工業製品にいたる廃棄物の総量もまた、まさしく巨大な山を成している。なかでも温室効果ガスによる地球温暖化は、このまま何も手を打たなければ生物の存続まで危うくすると警鐘が鳴らされている。しかしその主因が人類の産業活動そのものにあり、環境保護が経済成長を阻害するとみなす向きがあること、そして化石燃料の枯渇が危惧されていることなどが問題を複雑にし、解決を難しくしている。
誕生から46億年経った地球にあって、人類が現れてからまだ700万年にすぎない。2億年にわたり生きのびた恐竜も6500万年前に滅んだが、その要因は自然現象(巨大隕石が地球に衝突した)とされているのに対し、地球温暖化は人類が自ら招いたことである。温暖化に代表される環境問題は、250年前の産業革命を契機にはじまったものであり、人類が選択した資本主義経済の産物なのだ。
今日の環境問題はもはや、一部の国や企業だけで解決できるものではなくなっている。76億人が暮らすこの地球という「一軒家」を、いかに持続可能なものとするか。この問いに対して、一人ひとりが「私の家=地球」という意識をもって見識を深め、自らにできることを問い続け、実践していくしかない。一見、遠回りなようにみえて、これが一番の近道であると信ずる。本書を通じて、読者の方々とともに立ち上がることができればと願う。(すえよし・しょうぞう)