経済的人間と規範意識

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商品説明
◆判断の結果が実際の社会の中でどのような帰結をもたらすか ― 法学(規範を考える)と経済学(因果を考える)の隙間に関連する論文(第Ⅰ~Ⅲ部)と、ハイエクに関するエッセー(第Ⅳ部)を収載。第一人者による待望の書◆
【本書の概要】第Ⅰ部:「法と経済学」をめぐって/第Ⅱ部:所有権・契約・民事責任―私的秩序の構成要素/第Ⅲ部:現代社会のテーマ群/第Ⅳ部:ハイエク研究余滴
目次
『経済的人間と規範意識―法学と経済学のすきまは埋められるか』

  嶋津 格(千葉大学名誉教授) 著


【目 次】

序にかえて

◆第Ⅰ部◆「法と経済学」をめぐって

◆第1章 経済的人間と規範意識

第1節 取引費用
第2節 規範意識をもつ人間
 1 ルールに従う動物
 2 規範の進化論
 3 ディレンマの解消?
 4 ウェーバーによる宗教と経済
第3節 取引費用再論
 1 集合的カント主義
第4節 R.コースのA. スミス論―人間モデルへの補論

◆第2章 経済学の洞察と法学―「法と経済学」を論ず

第1節 序 論
 1 法学と経済学の総合領域―思想史の中で
 2 「法と経済学」の登場
第2節 「法と経済学」の衝撃
 1 契約の自由に対する制限の効果
  ・非良心性による契約の効力否定―余計なお世話か?
  ・他の事例
 2 不法行為法
  ・コースの定理の仮定とその意義―法学はいらない?
第3節 推論の前提にあるもの
 1 金銭評価可能性
 2 豊かさの,拡大と分配の局面の分離可能性
  ・パレート基準
  ・カルドア=ヒックス基準
 3 人間モデル
第4節 暫定的結論
 1 演繹的法解釈論としての法と経済学
 2 法哲学としての法と経済学
 3 法学徒の教養としての法と経済学

◆第3章 法と経済―総括コメントの試み

 学術大会「法と経済―制度と思考法をめぐる対話」における
 1 八代報告
 2 井堀報告
 3 鈴村報告
 4 亀本報告
 5 おわりに

◆第Ⅱ部◆所有権・契約・民事責任―私的秩序の構成要素

◆第4章 所有権は何のためか

第1節 はじめに―歴史的に生成した制度の目的または機能を論じること
第2節 効  率
 1 ホッブズ:パレート的効率
 2 進化論的効率
 3 現代的論点
 4 所有者のいない悲劇
 5 譲渡可能性
第3節 決定権の分散化
 1 共同体的所有の悲劇
 2 決定権の分散化としての私的所有
 3 市場の交換ネットワーク
第4節 規範的所有権論にむけて―基本的問題群

◆第5章 進化論的契約論素描

第1節 はじめに
 1 「約束はなぜ義務づけるのか」は真正な問か
 2 意思説・信頼説・関係説……
第2節 遂行的発話としての約束とその背後
 1 背後のルール
 2 約束による義務の「創造」
第3節 制度の生成
 1 なぜ約束の制度が成立するか
 2 進化論的説明
第4節 ヒュームによる説明
 1 コンヴェンションによる守約義務の発生
 2 社会の必要と利益
 3 制度的事実
第5節 契約の制度とその進化
 1 約束の制度と「意思の自由」
 2 創造の自由と選択の自由
 3 新類型の発生と淘汰
 4 契約における自由
第6節 要  約

◆第6章 不法行為法における「不運」の位置について

第1節 はじめに
第2節 不法行為法の目的
 1 法の普遍性
 2 行動制御への誘因
 3 保険=コストを伴う不安の回避
第3節 不法行為責任拡大の限界
 1 「残念ながらあなたとの保険契約はお断りします」
 2 「保険の危機」の原因
 3 第三当事者保険の限界
 4 精神的損害
第4節 おわりに

◆第Ⅲ部◆現代社会のテーマ群

◆第7章 リスクと「安全・安心」

第1節 はじめに
第2節 イデア的世界でのリスク対応
第3節 現実世界で
第4節 リスク評価の「誤り」―「心配」の過小と過大
第5節 民主主義下のリスク対応
第6節 安全と区別される「安心」の問題
第7節 おわりに―主観世界における不安への対応
 1 ストア派
 2 仏 教

◆第8章 IT社会の規範的考察―知財法を中心に

第1節 はじめに:「情報社会の秩序問題」(2001年度日本法哲学会)
第2節 知的財産権は何のためか―その1
第3節 知的財産権は何のためか―その2
第4節 IT社会―その1:フリーソフト
第5節 IT社会―その2:クリエイティブ・コモンズなど
第6節 おわりに

◆第9章 規制緩和・民営化は何のためか―国家の位置を考える

第1節 企業の経営 
第2節 計画経済からグローバル市場へ
第3節 官から民へ
第4節 国家の役割

◆第10章 ロールズの平等妄執(obsession)を抉る

第1節 はじめに
第2節 市民の社会的協働と所得分配
第3節 分配的正義
第4節 基礎構造と社会的協働スキーム
 1 解釈a
 2 解釈b
第5節 市場について
第6節 デザート論

◆第Ⅳ部◆ハイエク研究余滴

◆第11章 F. A. ハイエク(1985年)―忘却の淵から蘇った自由主義の不死鳥

第1節 法哲学者ハイエク
第2節 ハイエクの略歴
第3節 自生的秩序
第4節 自由の法―ノモス

◆第12章 『法と立法と自由』第1巻の解説

第1節 解説Ⅰ:イデオローグ・ハイエク(1987年)
第2節 解説Ⅱ:自由と秩序を両立させる規範のコスモロジー(2007年)
 1 基本的訳語の変更―その背景的理解
 2 「立法議会」が制定する法はノモスかテシスか?
 3 ハイエクの抑うつ,その他
 4 「法の支配」の理解と日本国憲法

◆第13章 理性の射程(1992年)―ハイエク社会理論における立法の位置

第1節 社会主義批判―ハイエク社会哲学の出発点
第2節 知識の利用―自由
第3節 立 法

◆第14章 ハイエクと社会福祉(2004年)

第1節 二つの見方
第2節 自由の体制と法―不人情の擁護
第3節 国家の役割―夜警国家を超えて
第4節 累進課税の否定
第5節 社会保障
第6節 結論にかえて

◆第15章 ハイエクの法理論に関する一試論(1980年)

第1節 序 論
第2節 秩序と法
 1 正しい行為のルール
 2 進化論的な合理性の概念
 3 法と目的
 4 立法の役割
第3節 おわりに

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