序文 福島知己
第Ⅰ部 フーリエとは誰か
嗜好の洗練による「文明」から「調和」へのパッサージュ――奢侈をめぐるフーリエと経済学的知……篠原洋治
アナロジー論と自然的平衡錘の理論――『産業の新世界』序文の一草稿の検討……福島知己
アソシエーションの二つの(失われた)起源――フーリエとサン゠シモン主義……金山準
第Ⅱ部 思想の諸相
フーリエの理想建築構想とその変貌……小澤京子
コンフィチュール/コンポートあるいは「調和世界」のパン――フーリエにおける子どもと食の問題……橋本周子
分人主義的結婚論の先駆者フーリエ――『愛の新世界』とヘーゲル『法の哲学』における遺産相続の問題……藤田尚志
密謀,あるいは産業のとばくち――フーリエからだいぶ離れて……森元庸介
第Ⅲ部 フーリエはどう読まれたか
政治的なものの感覚的革命としてのファランステールの爆発的拡大について……フロラン・ペリエ
情念の社会学としての神学――クロソウスキーにおけるフーリエ……大森晋輔
シャルル・フーリエと物書き狂人――レーモン・クノーの視点から……塩塚秀一郎
【幕間】
21世紀におけるフーリエ研究の活力……トマ・ブシェ
第Ⅳ部 フーリエをどう読むか
詩「未来はオーレンカのもの」をめぐって……阿部日奈子
シャルル・フーリエの情念を天然知能的計算に転回する……郡司ペギオ幸夫
フーリエの未来の肉体としての反古墳――いや、墓とは?……中村恭子