私たちはいまどこにいるのか?人間の活動は惑星地球に影響を与えるところにまで拡大し、社会の力は身心の内奥にまで侵入し、人間の内的な変化が起こっている。私たちはいま、「成長し続ける」という処方箋の限界を受け容れ、人間の活動の境界線を定義し直す必要に迫られている。イタリアの社会学者メルッチは、今日の社会の「拡がり」を「惑星社会」として展望し、この社会の問題の「深まり」を、身体の操作と“痛み/傷み/悼み”の問題として捉え直した。本書は、この「社会の病」の根本と向き合う途上で夭逝したメルッチの遺志を引き継ぎ、ただ存在するという理由のみによって静かに尊重されるコミュニティをめざしフィールドワークを試みた。