アクティブ・ラーニングの要ともいうべき、相互評価と自己評価(振り返り活動)。
その課題と充実方法を、カウンセリング心理学の第一人者・河村茂雄が解説。
学びの質を高める「ピアフィードバック」を実現するための一冊。
◎思考力・判断力・表現力や、学びに向かう力(主体的に学習に取り組む態度)等を育てるために、子ども同士で行うピアフィードバック(相互評価)を授業に取り入れることが増えています。ところがこういった取組みは、しばしば空虚なほめ合いや揚げ足取り等に陥り、教師が期待したほど盛り上がらないことがあります。こうした苦戦の背景に人間関係からくる子どもたちの心理状態(防衛性や攻撃性等)があり、授業づくりにも人間関係づくりやカウンセリング的な対応が必要になっていると考えられます。
◎はじめは「他者不安」が強くても、他者とポジティブに関わる経験は徐々に「自信」を生み出し、やがて「自立した学習者」としての成長につながります。教室で子ども同士が批判的・対話的・建設的に関わるチャンスを増やせるように、学級の心理的安全性をどう高めていけばよいか、またピアフィードバック等の学習活動をどのように構成し、どのように子ども個々の主体性(エージェンシー)や協働性(共同エージェンシー)を育てていくことができるか、カウンセリング心理学をもとに具体的に解説します。