はじめに
第1章 基礎知識編: マネジメントのための経営指標
1 2040年に向けた病院経営と看護管理者の役割――看護管理者が経営にどうかかわるか
なぜ今、医療制度は変わっているのか/今後の医療提供体制のあり方/選ばれる病院になるために/看護管理者に求められる経営視点の深化/診療報酬制度を理解する必要性/経営視点はジェネラリストナースにも重要
2 病院経営への参画に必要な経営指標の理解①――財務諸表とは
財務三表
COLUMN:やってみよう!〇×クイズ
3 病院経営への参画に必要な経営指標の理解②――病院経営の特徴と財務分析の視点
病院経営の特徴/財務諸表をどう使うか/財務分析の5つの視点/病院の財務分析:「収益性」を概観する/損益分岐点分析/病棟稼働率との関連
COLUMN:やってみよう!〇×クイズ
4 病院経営への参画に必要な経営指標の理解③――安全性・生産性
病院の財務分析:「安全性」の視点/病院の「安全性」分析=財務体質の把握/病院の財務分析:「生産性」の視点/病院にとっての「生産性」とは
COLUMN:やってみよう!〇×クイズ
5 病院経営への参画に必要な経営指標の理解④――成長性・効率性・機能性
病院の財務分析:「成長性」の視点/病院の財務分析:「効率性」の視点/病院の財務分析:「機能性」の視点
6 看護管理者が抱えるジレンマ・困り事
経営陣の経営方針と看護部門の考えが異なるとき/院長の意図を踏まえた上で、患者のデメリットを最小化する方策を検討
第2章 解説編:財務管理の考え方
病院における財務会計・管理会計・資金管理の考え方
財務会計の考え方/管理会計の考え方/資金管理の考え方/看護管理者に求められる経営感覚
第3章 実践編:看護と経営の両立をめざすマネジメント
A 経営全体を眺める
1 病院経営を考える上で重要となる3つの視点
最も重要となる3つの視点/地域住民の健康・生命維持のため医療機関経営の維持が極めて重要/医療において「安かろう・悪かろう」は許されない/保険診療ルールの遵守が必要
COLUMN:医療法人の非営利性とは?
2 「医療の質」とその評価
「医療の質」を評価・可視化する事業へ参加/DPCデータなどの活用
COLUMN:医療の質向上と集約化
3 損益分岐点を用いた経営提案
損益分岐点の計算方法/産後ケアにおける損益分岐点を検討
B 医療経営でおさえるべき最重要視点
4 「医療の質」評価における診療報酬、機能評価係数Ⅱの役割
「医療安全」「感染管理」「ケア」「人員配置」などで医療の質を把握/各種「加算」の取得は医療の質も評価する/「DPC機能評価係数Ⅱ」はいわば「医療の質」のランキング
COLUMN:医療の質をどう測るか――DPC係数と評価指標の限界と展望
5 病院経営の安定化に資する「医療保険制度の理解」「後発医薬品の使用推進」
病気やケガに備える「医療保険制度」の重要性/医療機関経営にも必要な医療保険制度/後発医薬品の使用促進が経営の安定につながる
COLUMN:超高額医療の時代――遺伝子治療薬と医療費の新たな上限
C 医療経営の基本
6 収益の最大化――重症の紹介患者・救急搬送患者の積極的な受け入れを
「高単価」患者を増やす/「実患者数」増が「延べ患者数」を増やす/DPC病院では「係数」の引き上げが収益増に直結
COLUMN:診療報酬の限界と、新たな収益源(保険外収益)の可能性
7 医療の質向上につながるコスト削減を
コスト削減しても医療の質を下げてはならない/「医療の価値を上げる」コスト削減に
COLUMN:医療材料コスト管理の新潮流――他院情報の活用と実践的ベンチマーキング
D 収益最大化に向けた視点
8 収益最大化の具体例――地域の信頼を得て「重症患者の紹介」を確実なものに
地域の信頼を得る/地域のクリニックや中小規模病院に積極的に逆紹介する/特定行為研修を修了した看護師の継続的な育成・活躍にも注力する
9 DPC制度における「係数最大化」に向けた努力を
DPC制度の係数とは/DPC制度は、自院や他院の状況把握が重要
COLUMN:公開データに基づく病院機能向上戦略
10 看護部・診療部・医事課が連携し「加算の確実な算定」を
加算の正しい理解、施設基準の適切な届出を/他部門との連携:合同ミーティングの開催
COLUMN:最新要件の把握と継続的な情報アップデートの重要性
11 DPC病院では収益向上に向けて、「期間Ⅱ」以内の退院をめざす
DPC病院における留意点/入院期間が長くなると「収益が減る」/入院期間Ⅱまでの退院をめざす
12 平均在院日数短縮・入退院支援加算の算定率向上・新規患者獲得をめざす
急性期病院への入院が「要介護度悪化」につながることも/早期転院を進めるための「連携強化」/入退院支援加算の算定率の向上/新規の紹介患者の獲得
COLUMN:入院前支援と多職種協働が鍵――在院日数短縮に向けた新たな評価体系
13 軽症患者の対応を入院から外来へシフト
軽症患者に入院・外来のいずれで対応するか/「入院から外来へのシフト」を促すための診療報酬における対応例/国・都道府県においてもがん化学療法などの「外来移行」を重視
E コスト削減に向けた視点
14 「日々の業務の中で意識せずにコスト最小化」につながる仕組みの整備を
後発品の使用推進は、診療報酬収益の増加につながる/卸売業者との価格交渉により医薬品の購入価格を下げる/抗菌剤適正使用の推進を/クリニカルパスの整備を進める
15 業務の見直しにより人員を有効活用する
無駄な業務が発生していないか/業務全体を“繰り返し”洗い直す/改善意識を高める
16 医療材料の単価・使用料の最適化を――コスト削減の主目的は「医療の質向上」
医薬品と同様に医療材料も単価・使用量の最適化をめざす/「利益の増大」はコスト削減の目標だが実は「医療の質向上」が主目標となる
COLUMN:ICT活用による看護配置の柔軟化――効率化と負担軽減を両立する診療報酬改定の新潮流
F タスク・シフト/シェア
17 看護師から看護補助者ヘのタスク・シフト/シェア――処遇改善・スキルアップで補助者の確保・定着を
人材確保難に直面する医療現場でのタスク・シフト/シェアの重要性/看護補助者の定着促進に向けた処遇改善とスキルアップ支援/好事例を収集する
第4章 展望編:医療提供体制の変化を踏まえて
1 地域医療構想を踏まえた経営の視点――疾病構造の変化と看護管理者が担うべき新たな役割
医療を取り巻く状況が根底から変わりつつある/人口減少とは「医療需要が減る」のではなく「需要の性質が変わる」こと/持続可能な医療を実現するための絶対条件――医療DXと看護資源の再配分/めざすべき医療提供体制と看護管理者の経営参画/「理想」と「現実」のギャップを埋めるには/めざすべき医療提供体制への具体的な方策/看護は地域医療の“未来をつくる”
2 地域医療構想を踏まえた多職種協働――看護管理者がつくるチームと文化
「協働の隙間」をどう埋めるか/「つなぐリーダーシップ」の発揮による地域全体を見すえたマネジメントを
COLUMN:多職種協働を「見える価値」に――連携を後押しする新たな加算