紅は濡れて色増す 土佐 風流踊と歌謡の歴史

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風流踊の成立と民俗歌謡の展開を跡づけ、「花」と「歌」の歴史的本意を究明。衰退する民俗芸能の史的実態、ことに呪的心性の消滅に迫る。
目次
序のことばに代えて ―表題と口絵「紅は濡れて色増す」の意味―
序章 民俗の「歌と踊」をめぐる視線 ―土佐に伝わる資料を拠り所として―
一 衰滅する「学問と民俗」の宝庫
二 夏目漱石「坊ちゃん」の眼差し
三 『巷謡編』に見る鹿持雅澄の眼差し
四 法令に見る為政者の眼差し
五 日記に見る僧・井上静照の眼差し
六 明治維新(神仏分離・廃仏毀釈)の激動
七 明治生まれの古老の眼差し―聞き書きのことばに学ぶ
第一章 柴折薬師の「男女問答」 ―土佐の歌掛け伝承の先駆けを顧みる―
一 はじめに
二 研究史を振り返って
三 忘れられた新聞記事
四 土佐の恋愛習俗「やまとことば」
五 残された課題
第二章 土佐における歌掛け伝承 ―見渡しと課題、「山歌」と「花取踊」―
一 はじめに
二 忘れられた新聞記事とその周辺
三 「やまとことば」の周縁、「さとり草」と「判じ物」
四 「やまとことば」研究と土佐における成立状況
五 婚姻儀礼における道塞ぎ
六 文献(『巷謡編』)に遺る歌掛け伝承、「山歌」と「花取踊」
第三章 「花取踊」とは何か ―その生成と展開、本質を探る―
一 はじめに
二 「花取踊」の基本的な態様
三 「花取踊」の始原
四 踊歌に見る古風な民俗伝承
五 「花取踊」の形成と修験道
六 土佐における「花取踊」の展開
第四章 「花取踊」の流伝とその意義 ―伝播の様相と土佐との関わりを探る―
一 はじめに
二 「花取踊」の流伝地とその様相
三 流伝地と土佐をつなぐもの
四 「花取踊」の伝播をめぐる視点
第五章 「花」とは何であったのか ―「花」の本意と「歌」の歴史的意義―
一 はじめに
二 土佐の俗信に見る「花」の意味
三 「いざなぎ流」に見る「花」の呪力、「歌」の呪力
四 花はツツジ、色は紅(くれない)
五 民俗の「歌」と「踊」の意義
第六章 「なもで踊」と「こおどり」 ―「風流踊」形成の史的考察、土佐の資料から―
一 はじめに
二 「風流踊」形成の歴史的概要と展望
三 「なもで踊」の展開とその芸態
四 「こおどり」の展開とその芸態
五 おわりに
第七章 土佐の風流踊歌 ―未紹介資料を中心として―
一 はじめに
二 文献に記録された「こおどり」の踊歌
三 吾川村峯岩戸(現仁淀川町)の「太鼓踊」
四 池川町椿山(現仁淀川町)の「太鼓踊」
五 越知町中大平の「太鼓踊」
六 伊野町大内(現いの町)の風流踊
七 大正町葛籠川(現四万十町)の「御伊勢踊」「団扇踊」
八 春野町仁ノ(現高知市)の古写本「花取躍」
九 おわりに
第八章 中世に遡る盆の踊歌 ―佐川町の玄蕃踊と津野町北川の笹見踊―
一 はじめに
二 佐川町の玄蕃踊
三 津野町北川の笹見踊
四 盆の踊歌の歴史的研究
第九章 稲作と民俗芸能「歌と踊」の軌跡 ―『巷謡編』に見る土佐の一年を主軸として―
一 はじめに
二 漂泊の祝福芸
三 予祝の神事芸能 田遊・田楽
四 囃し田の芸能と田植歌
五 虫供養(虫送り)と草取り歌
六 豊熟と収穫に寄与した風流踊
七 おわりに―呪的心性の変容と後退
第十章 「性愛」の歌の意義 ―呪的心性の変容と後退をめぐって―
一 はじめに
二 「直江兼続四季農戒書」に見る農耕と「性愛」
三 性愛の歌を阻んだ近代
四 「首狩り」に見る農耕芸能の原点
五 薩南諸島・黒島の八朔踊における歌詞変更
六 おわりに
第十一章 「よさこい節」の変遷 ―民俗芸能の活用と保存をめぐって―
一 はじめに
二 「よさこい節」の流行
三 「よさこい鳴子踊」の誕生と「よさこい祭り」の発展
四 民俗芸能の保存と活用を考える
終章 失ったものは何か ―「土佐民俗」研究の歴史―
一 はじめに
二 「土佐民俗」研究と桂井和雄
三 失ったものは何か
人名索引
あとがき
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