公正価値会計

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公正価値会計
  • 発売日:2002/06/01
  • 出版社:森山書店
  • ISBN:9784839419530

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公正価値会計

公正価値会計

通常価格 4,180 円(税込)
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  • 発売日:2002/06/01
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商品説明
 本書『公正価値会計』は、会計的認識領域の拡大を測定・伝達面に関連させて総合的に展開した基礎理論研究である。公正価値会計とは、伝統的な期間損益計算の枠組では把握されえない事実関係を、公正価値による測定を介して数関係に写像し、これを利害関係者に伝達するシステムとして捉えている。
 証券・金融市場のグローバル化が進む中で、公正価値評価の対象は、今や、金融商品の一部から全体へと進展し、さらに有形資産の評価に及ぶとともに、ブランドやビジネスモデルといった無形資産にまで拡大しつつある。それゆえに、公正価値会計に対する社会的な役割期待は多大なものがあり、公正価値会計の首尾一貫した体系化が求められている。
 周知のように、金融の自由化・国際化は、為替、金利、価格等のリスクエクスポージャーを増大させ、リスク管理という新たな経営課題を引き起こした。経営者は、種々のリスクに対処するために、リスク管理の手段としてデリバティブ取引を積極的に活用するようになり、デリバティブ市場が急速に拡大し発展することとなった。さらに、金融市場の変動が景気変動の主因とみなされるに至り、実物経済から金融経済へと経済の基軸がシフトしたと例えられるようになった。
 このような金融主導型の経済環境の中で、日本の上場企業の総資産に占める金融資産の保有割合は、平均で5割を超え、この比率が6割を超える業種は全業種のほぼ3分の1に達している。また、製造業であっても金融資産比率が80パーセントを超える企業が存在する。しかも、、6割強の企業が何らかのデリバティブを利用してリスクヘッジを行っているという実態が明らかとなっている。したがって、現代会計の資産評価問題とは、まさに金融資産の評価問題であるということができる。
 このような環境変化は、伝統的な取得原価主義会計の理論的限界を露呈させた。すなわち、取得原価主義会計は、デリバティブ取引について、決済後の事後的な損益情報しか提供できないことから、投資・与信の意思決定にとって妥当性を持たないことが問題となり、公正価値会計の生成を促したのである。取得原価主義会計は、もともとプロダクト型市場経済を前提に精緻化された理論の体系であり、ファイナンス型市場経済に対して適合する余地はなかったのである。ファイナンス型市場経済を背景として生成した公正価値会計は、利害関係者の経済的意思決定にとって有用な情報の提供を目的として、説明責任の範囲を貨幣資本の管理運用プロセスを取り巻く環境へと拡大し、環境条件の変化(市場のボラティリティ)を取込んだ情報を提供するという行き方を取るところにその特長がある。
目次
 序 章 公正価値会計の視座
  第1節 公正価値会計の意義と研究目的
  第2節 研究の構成と概要
第1部 公正価値会計の生成期版
 第1章 公正価値会計の研究フレームワーク
  第1節 公正価値会計生成の経済的背景
  第2節 公正価値測定の意義とファイナンス型会計理論
      1 公正価値の特質
      2 公正価値測定の論拠
      3 ファイナンス型会計理論と公正価値会計の定義
  第3節 公正価値会計の報告モデル
 第2章 経済社会の変容と企業の資産負債構成
  第1節 金融の自由化・国際化による経営環境の変化
  第2節 金融資産比率・金融負債比率の趨勢分析
  第3節 金融資産比率・金融負債比率の業種平均値の比較
  第4節 個別企業の資産負債構成の変化
 第3章 公正価値会計の制度的基礎
  第1節 会計的コミュニケーションにおける役割構造の体系
      1 会計行為と役割期待の相補性
      2 役割期待の構造的特質
  第2節 利害関係者の類型と情報要求
      1 スタンプ・レポートの意義
      2 利害関係者の分類
      3 利害関係者の情報要求
  第3節 公正価値会計の目的
      1 利用者指向性の会計目的
      2 SFAC第1号における財務報告の目的
      3 公正価値会計の目的に関する検討
第2部 公正価値会計における認識の基底
 第4章 財務諸表の基礎概念
  第1節 会計情報の質的特性
  第2節 財務諸表の諸要素の定義と認識
      1 財務諸表の諸要素の定義
      2 認識規準
  第3節 会計行為への会計的選択規準の適用
 第5章 取引概念の拡大とその会計的認識
  第1節 未履行契約の認識の意義
  第2節 取引概念の拡大と資産の本質
      1 取引概念の拡大
      2 資産の本質と識別規準
  第3節 資産の認識規準と未履行契約の認識
  第4節 会計情報の質的特性に基づく認識問題の検討
  第5節 取引概念の拡大とその認識の理論的含意
 第6章 経済事象の認識規準の操作性
  第1節 「発生の可能性」の要件の問題性
  第2節 IASC概念フレームワークにみる役割構造の体系
      1 IASC概念フレームワークの構成
      2 IASC概念フレームワークにおける役割構造の4局面
  第3節 IASC概念フレームワークにおける会計的認識の構図
      1 計算構造の基礎的仮定
      2 財務諸表の質的特性
      3 財務諸表の要素の定義・認識・測定
  第4節 「発生の可能性」規準の操作性
      1 「発生の可能性」規準を分析するための三つのアプローチ
      2 発生確率に基づく認識方法の評価
  第5節 「発生の可能性」規準の質的変容
第3部 公正価値会計の測定フレームワーク
 第7章 公正価値会計における資本維持と利益観
  第1節 伝統的会計モデルの特徴と限界
      1 取得原価主義会計における企業観
      2 取得原価主義の三つの仮定
  第2節 ファイナンス型会計理論における資本維持
      1 ファイナンス型会計理論の企業観
      2 会計目的の変化と計算原則
      3 金融商品に適用される資本維持概念と包括利益
  第3節 包括利益と資産負債アプローチ
      1 資産負債アプローチの意義と利益計算の類型的特徴
      2 資本比較計算法
      3 資本負債比較計算法
      4 個別有高差額計算法
      5 総額計算法
 第8章 公正価値による資産および負債の測定
  第1節 SFAC7号の目的
  第2節 現在価値測定の期待キャッシュフロー・アプローチ
  第3節 資産の公正価値
      1 公正価値測定の前提
      2 資産および負債の識別
  第4節 負債の公正価値と信用状態の測定
      1 信用状態の測定の問題点
      2 当初認識時の測定に対する信用状態の影響
      3 新規測定に対する信用状態の影響
      4 売却価値による負債の測定
      5 負債の測定に対する信用保証の影響
      6 繰上返済規定が測定に及ぼす影響
 第9章 ヘッジ会計の基礎理論
  第1節 ヘッジ会計の基礎概念
      1 リスク管理の有効性の評価
      2 ヘッジ戦略におけるデリバティブの利用
  第2節 ヘッジ会計のフレームワーク
      1 デリバティブの定義
      2 ヘッジ会計の3形態
  第3節 ヘッジ会計の概念モデル
 第10章 ヘッジ活動の会計処理
  第1節 ヘッジ会計の論点
  第2節 コモディティの予定販売に係るキャッシュフローヘッジ
  第3節 スワップをヘッジ手段とするキャッシュフローヘッジ
 第11章 公正価値評価の課税所得計算への応用
  第1節 公正価値評価と課税所得計算
  第2節 キャッシュフロー・担税価値アプローチによる課税所得計算
  第3節 課税所得計算の事例
第4部 公正価値会計の報告モデル
 第12章 企業環境の変化とリスク・レポーティング
  第1節 環境変化と企業経営の革新
  第2節 リスク・シェアリング社会と企業経営の課題
      1 リスク・シェアリング社会の特質
      2 株主重視と公正価値会計情報の開示
  第3節 リスク管理とリスク・レポーティングの必要性
 第13章 情報開示の拡充の方向
  第1節 ジェンキンズ報告書の背景と意義
  第2節 包括的企業報告モデルの展開
  第3節 コア概念に基づく財務諸表の体系
      1 コア概念による損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書の様式
      2 コアの資産および負債の公正価値による測定
 第14章 財務業績報告の類型と包括利益の表示
  第1節 包括利益の意義と表示
  第2節 財務業績報告の現状と問題点
  第3節 財務業績計算書の4類型
第5部 金融リスク管理と公正価値会計の実態
 第15章 金融リスク管理の実態分析
  第1節 調査目的と調査対象
      1 調査目的
      2 調査対象会社
      3 調査事項の概要
      4 回収率と回答会社のプロフィール
  第2節 リスク管理とデリバティブの利用
  第3節 デリバティブ利用の目的・理由の分析
  付 録 調査票のサンプル「デリバティブとリスク管理に関する実態調査」
 第16章 先物取引の利用実態と会計処理
  第1節 先物取引の制度と会計処理
      1 先物取引の概要
      2 会計処理の方法と問題点
  第2節 先物取引の会計処理に関する経営者の意識
      1 調査目的と回答会社の概要
      2 デリバティブ取引の利用実態
      3 先物取引の会計処理の実態
  第3節 日本におけるヘッジ会計の方向
      1 日本におけるヘッジ会計処理
      2 米国におけるヘッジ会計の動向
 第17章 金融商品会計の実務動向
  第1節 調査目的
  第2節 調査対象会社と調査票回収率
  第3節 売買目的有価証券の時価評価の実態
  第4節 その他有価証券の時価評価の実態
  第5節 ヘッジ会計の実態
  第6節 企業経営に対する時価会計の影響
  第7節 企業統治に関する経営管理者の意識動向
  第8節 調査結果の要約
  付 録 調査票のサンプル「時価会計・企業統治に関する実態調査」
 終 章 公正価値会計の展望と課題
  第1節 研究の総括と展望
  第2節 公正価値会計の課題
参考文献
索引
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